1軍定着も「ここで満足しちゃダメ」 “便利屋”脱却へ…オリ高島泰都が誓う3年目の飛躍

2年目は22登板で2勝1敗、防御率3.67
オリックスの高島泰都投手が、3年目は先発での飛躍を描いている。12月3日の誕生日を前に、いつも通り静かな口調で、来季への思いを語った。
「ほぼ1軍で試合に出ることができたことはすごくよかったのですが、成績も(チーム内での)立ち位置もそんなに変わっていません。安定しているといえばそうなんですが、ここで満足していちゃダメなので、来年は先発でしっかりとできたらいいと思っています」
高島は、北海道赤平市出身。滝川西高、明大、王子から2023年ドラフト5位でオリックスに入団。カットボールやチェンジアップで打たせて取る投球で、1年目から中継ぎ、先発で21試合に登板し、2勝2敗、防御率4.02。2年目は開幕ローテーション入りし、4月中旬までに2勝を挙げた。6月中旬からは1試合を除き、中継ぎに専念し2勝1敗、防御率3.67。投球回数は1年目の56回から61回1/3と微増で、起用方法も成績もほとんど変わらなかった。
存在感は示した。中継ぎの16試合のうち13試合で1イニング以上の登板。しかも5イニングを筆頭に3イニング以上を託された試合は8試合もあった。先発で7回を投げ、ロングリリーフもできる貴重な存在として評価されていることに「そこは僕の強み」と胸を張る。
しかし、変化を求める自分もいる。シーズン終了後の厚澤和幸投手コーチとの面談で、先発への思いを伝えた。「自分としては、(先発か中継ぎか)どちらかで結果を残したい。一番は1軍でしっかりとシーズンを通して投げることですが、そこはある程度クリアできたと思います。チーム事情もありますから、どのポジションでもいいのですが、来年はできれば先発で立ち位置を確立したいと考えています」
先発での起用だけにこだわるのではなく、自分を高めるために現状に満足せず高みを目指したいという純粋な思い。トミー・ジョン(TJ)などの手術を受けた中継ぎ、抑えの投手の多くが来季には復帰するという明るい材料も、高島の気持ちを後押ししている。
「オフはこれまで通り、先発の準備をします。こんな(役割の)投手が1人いたらチームも助かるので、チーム事情で監督やコーチが上手く使ってくれたらいいと思います」。クレバーな投球同様に、柔軟な考えで臨む。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)