太田椋、打率4位は「最低ライン」 キャリアハイも慢心なし…新背番号で誓う飛躍

オリックス・太田椋「やっぱり、1番です。かっこいいです、シンプルに」
オリックスの太田椋内野手が、来季は福良淳一ゼネラルマネジャー(GM)や福田周平外野手がかつてつけていた背番号「1」を受け継ぎ、ナンバーワンを目指す。「やっぱり、1番です。かっこいいです、シンプルに。まだまだ(実力は)ないですけど、さらに頑張ろうと思えます」。屈託のない笑みを浮かべた。
太田は天理高から2018年ドラフト1位でオリックスに入団。広角に長打を放つ打撃が魅力で、プロ3年目の開幕戦に「2番・二塁」でスタメン起用された。チャンスにも強く積極的な打撃が特徴で、2022年の日本シリーズ第7戦では史上初の「初回先頭打者初球本塁打」を記録した。
怪我で年間を通じてプレーできなかったシーズンが続いたが、2024年は91試合に出場。打率.288、6本塁打、40打点の成績を残し、2025年3月に行われた「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」で日本代表に選出された。今季は開幕から好調な打撃を維持し、一時は打率首位にも立った。113試合に出場、初めて規定打席に達し打率部門でリーグ4位の.283を記録するなど、自己記録を更新した。
背番号1は、子どものころからの憧れだった。「僕の中では後藤さん(光尊内野手)のイメージが強かったですね」と太田。昨年の契約更改の席上「いずれは1番をつけたい」との思いを伝えていたという。1年後「これならいけるかな」と申し出たところ、福良GMからは「今年は頑張ってくれた。これからは怪我なく頑張ってくれ」との答えが返ってきた。
高知市での秋季キャンプでは、基本を大事にすることと、しっかりと体を追い込んで疲れた中でどれだけ自分の打撃ができるか、という2点に取り組んだ。「打率4位は最低ライン。ちょっと率にこだわり過ぎた、率を守ろうとし過ぎた1年でした。長打を打ちたいので、率を求めながらOPS(出塁率+長打率)を大事にしたいと思います」。すべての部分でキャリアハイを目指す。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)