熾烈な争いの新人王は誰の手に 大瀬良は10勝をかけて横浜DeNA戦に登板へ

広島の新人では17年ぶりとなる2桁勝利に挑む大瀬良

 1度しかと取ることのできないタイトル新人王。初めから「狙っていく」と自分を高めて挑む選手もいれば、そうではなく、心の中で秘めて臨む選手もいる。シーズンも佳境に入り、優勝争い同様、行方が気になるところ。今年は例年になく、セ・パともに熾烈な争いが繰り広げられている。

 新人王の資格は、新入団選手に限らず、初めて支配下登録されてから5年以内の選手、投手の場合は前年まで30イニング以内、野手ならば前年までの出場が60打席以内の野手に権利が与えられる。可能性のある両リーグの選手と現状を紹介したい。

【セ・リーグ】

○大瀬良大地(広島) 23試合9勝6敗、防御率3・90

 1年目。昨年秋のドラフト会議で広島から1位指名を受けた即戦力右腕。開幕ローテを勝ち取った。9月6日の横浜DeNA戦では完封勝利を収めるなど、シーズン3完投。14日の阪神戦では153キロをマークし、9勝目。広島としては、97年の澤崎俊和(現2軍投手コーチ)以来、17年ぶりとなる新人での2桁勝利達成を目指し、19日の横浜DeNA戦に先発する。勝てば、セの最有力候補になるだろう。

○三上朋也(横浜DeNA) 57試合1勝3敗19セーブ、防御率1・82

 1年目。県立岐阜商業から法政大、社会人のJX-ENEOSを経て、ドラフト4位で入団。今季途中から守護神に抜擢されると5月には7セーブをマーク。9月14日の巨人戦では19セーブ目を挙げて、2000年の木塚現2軍投手コーチを抜き、球団の新人最多セーブ記録を樹立した。防御率1点台は素晴らしい数字である。

○福谷浩司(中日) 67試合0勝4敗32ホールド、8セーブ 防御率1・83
 
 2年目。2012年のドラフト1位右腕。慶應大出身。理工学部では電子工学を専攻。学部の優秀者に与えられる「藤原賞」も受賞した頭脳派。1年目は右足内転筋の肉離れの影響で出遅れ、1年目は9試合の登板で0勝1敗、防御率7・36だった。新人でも容赦なく、野球協約の減額制限いっぱいの25%減で375万円ダウンの1125万円(推定)となったが、今年は剛球が復活。チームの成績は良くないが中継ぎの柱となっている。

○又吉克樹(中日) 62試合9勝1敗20ホールド、1セーブ 防御率2・15

 1年目。昨年のドラフト会議で四国アイランドリーグPlusの香川から、独立リーグ史上最上位の指名となる2位でドラゴンズに加入。福谷とは同い年の23歳。チーム内で新人王争いが過熱している。中継ぎで2桁勝利まであと一歩のところまできている。17試合連続無失点投球をするなど、中日のリリーフ陣を支えている。

 そのほか田中広輔内野手(広島)が106試合、打率2割9分9厘、9本塁打、33打点と活躍しているが、規定打席に届いていない。ヤクルトの秋吉亮投手も56試合3勝4敗、防御率2・48、19ホールド、2セーブを挙げているが、中日の候補2選手の方が成績が上とあり、難しそう。上記4投手の争いになりそうだ。

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