日本人内野手がメジャーで生き残るには 井口資仁が語る適応の秘訣
2015.02.04
誤解を恐れずに言うならば、2003年オフに松井稼頭央(現楽天)が日本人内野手として初めてメジャー移籍を決める前から、評価はずっと厳しいと思う。
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photo Yukihito Taguchi

メジャーで苦しむ日本人内野手、その低評価を覆す術はあるのか

 誤解を恐れずに言うならば、2003年オフに松井稼頭央(現楽天)が日本人内野手として初めてメジャー移籍を決める前から、評価はずっと厳しいと思う。

 1964年に村上雅則氏がジャイアンツに入団してから日本プロ野球界(NPB)を経てメジャー移籍を果たした投手が40人いるのに対し、内野手はわずか8人。海外FA制度やポスティング制度など、NPBからメジャー移籍を目指す場合にはいろいろな制約や障害が生まれる事情もあるし、投手と内野手というポジションの性質の違いもあるから、同じ土俵で比較するのは無理があるかもしれない。だが、もし日本人内野手に対するメジャー球団の評価が高ければ、投手に迫る数の選手がメジャー移籍を試みていただろう。

 そもそもファンやメディアが使う「評価」という言葉は相対的なもので、必ずしも球団スカウトや編成担当が使う絶対的な「評価」とは一致しないことが間々ある。ファンやメディアが使う「評価」という言葉は、時に「評判」や「期待」という言葉に置き換えることができるだろう。

 往々にして「評価が低い」「評価が下がった」というフレーズは、「評判どおりの働きができなかったから」「期待通りの選手ではなかったから」という理由から生まれる。それでは「評判」や「期待」とは何かと言えば、個人や集団がその選手に対して抱く「思い」でしかない。

 例えば、2011年にツインズ入りした西岡剛(現阪神)の場合、キャンプで好成績を残しながらも、開幕直後に足を骨折したことから歯車が狂い、その後メジャーに定着することはなかった。スーパースター然とした出で立ちやツインズにしては珍しい大型契約、そして好調な春を送ったこともあり、ファンやメディアの間で「評判」と「期待」はうなぎ登りに。だが、その一方で他球団のスカウトや日本球界関係者の「評価」は一貫して「守備で苦労するだろう。定着には時間が必要」と冷静だった。アメリカでの2年間の大半を3Aで過ごした西岡は、評判や期待には応えられなかったかもしれないが、決して評価を下げたわけではない。

 対照的なのは、2012年にマイナー契約でマリナーズ入りした川崎宗則だろう。マイナー契約という時点で「評判」はほとんど立たず「期待」も低い。一方でスカウトたちの「評価」は「レギュラーは厳しいかもしれないが、内野のユーティリティなら大丈夫」。翌年にブルージェイズに移籍してから人気も評価も大爆発したが、それはほぼ皆無だった「評判」「期待」を大きく超えたからであって、ここでもスカウト陣の「評価」は変わらない。

 残念ながら、日本人内野手の多くが「評判」「期待」を超える活躍を見せられなかったことは事実だ。だからこそ、冒頭の「評価が低い」という話につながるのだが、移籍1年目から「評判」「期待」に応えつつ、「評価」通りの活躍をした人物がいる。それが、2005年にホワイトソックス入りした井口資仁(現ロッテ)だろう。



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