覚醒する西武・秋山、ヒット量産の裏でつかみつつある“ある感覚”とは

ダイヤモンドを周りながらも、頭にあった「?」

 西武の秋山翔吾外野手が覚醒している。昨年まで最高打率2割9分3厘(12年)だった男が3割5分を超える打率を開幕から残し、年間約220安打のペースでヒットを量産している。

 今季からグリップの位置を下げ、バットを寝かせた状態から始動することで、ボールを点ではなく線で捉えるゾーンが増えた。一般的にはテークバックが小さくなったことでミート率は高まるが、長打力は下がる。

「今の打線を見れば、自分が求められるのは出塁すること。ホームランを30本も打てる力はありませんから」

 そう自覚した、はずだった。

 だが捨てたはずの能力ですら、その一端を手に入れた。交流戦開幕カードの5月27日の巨人戦。秋山は頭の中に「?」マークを浮かべながらダイヤモンドを2周した。

 初回に今季3本目となる先頭打者弾を放つと、7回には左腕戸根にも1発を見舞った。自身初の1試合2本塁打。どちらもフルカウントで、状況を見ても「とにかく出塁することだけを考えていた」と、ヒットの延長がホームランという打者の基軸よりも意識は低かった。

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