驚異の“V字回復”見せた今季のイチロー 米サイト絶賛「これ以上望めない」

「来季も力強い戦力かつ若手指南役に」と期待

 今季はメジャー通算3000安打達成を筆頭に、日米通算700盗塁、日米通算4300安打など数々の金字塔を打ち立てたマーリンズのイチロー外野手。“第4の外野手”という難しい役割ながら打率.291をマークするなど、チームの勝利に貢献した。米スポーツ専門サイト「SBネーション」では、現役25年目を過ごしたベテラン外野手の今季を振り返る記事を掲載。「2016年は控え野手として十分な貢献をした。マーリンズはこれ以上望むことはできなかっただろう」と称賛している。

 マーリンズ移籍1年目だった2015年は、控え外野手という役割に慣れるまでに時間が掛かり、キャリア最低の打率.229を記録してしまった。記事によれば、選手の勝利に対する貢献度を示すスタッツWAR(ファングラフス試算による)は-0.7で、さすがのイチローも斜陽を迎えたかに見えた。

 だが、2016年は見事な“V字回復”を見せ、代打の切り札として活躍。開幕時に残り65本に迫っていたメジャー通算3000安打の偉業を達成すると、9月にやや調子を落としたものの、最終的には打率.291を記録。記事によれば「四球率はキャリアで2番目に高い8.9パーセントで、WAR(1.4)は2ポイント以上もアップ。ア・リーグMVPマイク・トラウトよりも大きな改善率だった!」と、今年10月に43歳を迎えたベテランの“復活”を称えた。

 今季のハイライトには、もちろん「8月7日に敵地デンバーで打った三塁打」を選出。史上30人目、40歳以上での達成は史上3人目となる通算3000安打に、「もしマーリンズが2017年の契約オプションを行使していなかったら、あの瞬間は間違いなく球団史上屈指の名場面になった」としている。

 メジャー17年目、現役26年目を迎える来季について、記事では「今季と同じような役割で、勝利に貢献する成績を残すのは、さらに難しなるかもしれない」と“加齢”の現実を指摘しながら、「彼の才能があれば十分可能であり、何よりもシーズンを通じてクラブハウスで重要な役割を果たしてくれるはず」と大きく期待。「何が起きても、マーリンズ・ファンは未来の殿堂選手がマイアミで歴史を作り、楽しみながらプレーしていることに感謝すべきだ」と綴っている。

 現役メジャー最年長野手として、果たしてどんな活躍を見せてくれるのか。来季もイチローから目が離せなそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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