代理人が明かす真相 イチローはなぜマーリンズと「1年契約」だったのか

当初「2年契約」の現地報道も単年契約で決着

 マーリンズに入団したイチロー外野手は、年俸200万ドル(約2億3500万円)での1年契約にサインした。41歳の野手に対し、球団側は異例中の異例とも言える2年契約を用意していると報じられていたが、実際に結んだのは契約延長オプションも付いていない単年契約。その真相はどういうものだったのか。

 東京都内でマーリンズ入団会見が行われた29日、1年契約に至った経緯を最も良く知る人物がその詳細を明かした。今オフからイチローの代理人を務めるジョン・ボッグス氏は、依頼人の晴れの場に同席した直後、Full-Countの取材に対して今回の契約の意図を説明している。

「マーリンズとは色々な話をしたが、私のクライアントが1年目にどういう状況になっていくのか注視する必要があると思った。我々としては全てのオプションをオープンにしておきたかった。今のところすべてがうまくいっているが、イチローは新しい町で新しいユニフォームを身に着けることになる。彼が新しい環境に愛情を持って、2年目に向けた適応がスムーズにできればいいが、そうならなかった時のために、オプションをオープンにしておきたかった」

 ボッグス氏の話から分かるのは、マーリンズは実際には複数年契約を用意していたということ。イチローには結局、単年契約のオファーしか届かなかったとする考え方はノーマルではあるが、ボックス氏の言葉や当初複数の現地メディアが「2年契約」と報じていたなども踏まえれば、そうではない方がしっくりくる。つまり、2年契約や1年契約プラス契約延長オプションを、イチローがあえて選ばなかったということだ。

 どういうことか。

 まずはマーリンズ側の思惑について考えてみる。今回の契約の前提にあるのは、第4の外野手とはいえマーリンズがイチローを大きな戦力として考えているということ。若き外野トリオをレギュラーとして揃えるが、長いシーズンを戦うために選手を休ませる場合、そしてアクシデントがあった場合に、イチローほど頼りになり、計算できる控え選手はいない。野球に真摯に取り組む姿勢も、若いチームには大きな影響を与えるだろう。

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