巨人再建に大きな“補強” コーチ就任の田代富雄氏にかかる期待
次世代のスラッガー育成が急務の巨人
今年のシーズン途中まで楽天の打撃コーチを務めていた田代富雄氏が巨人のファーム巡回打撃コーチに就任することが発表された。1997年、横浜ベイスターズでコーチ業をスタートさせてからここまで毎年ユニホームを着続けており、来季も指導にあたることになった。
一度横浜のフロント入りを打診されたこともあったが、「自分はユニホームを着続けたい」と固辞。退団を決めるとすぐに韓国球団や楽天がオファーを出し、打撃部門のコーチに就任した。卓越した指導力に定評がある。技術力だげでなく、情にも厚く、人間性も野球界で評価されている。
自身も右の強打者だった。指導者としても、高い潜在能力を備えながらも伸び悩んでいた横浜・多村仁志を開花させ、巨人の村田修一やソフトバンク吉村裕基ら右の長距離砲を育成。また辞めていく選手にも田代氏を慕う選手も多く、様々な世代から愛されている。
リーグ優勝を逃した巨人の課題は打撃力の向上。次世代のスラッガー育成が急務だ。1軍には育成力のある内田順三コーチが2軍から就任。左打者を育てるスペシャリスト。田代氏がこれに加わることで、右の強化、育成も可能になる。
岡本和真、和田恋という若手や、中堅にさしかかってきた大田泰示、中井大介ら能力の高い右打者をどう鍛え上げるか。また、横浜時代から目をかけている村田修一の成績が下降線をたどっているため、復活へのアドバイスも求められる。巨人の再建にふさわしい「補強」と言えるだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count