名門球団が迎えるいつもと違う夏 ヤンキースが主力を放出する可能性は?
上昇気流に乗れずも…ヤンキースが「ファイヤーセール」に踏み切れば「一大事件」
「常勝球団」と形容される名門ヤンキースが、いつもと違う夏を迎えようとしている。今季は春先に最下位に低迷し、現地時間11日時点でア・リーグ東地区4位。6月半ばに差し掛かっても勝率5割前後を行き来して上昇気流に乗れず、プレーオフ進出を危ぶむ声も出ている。
地元メディアでは8月1日のトレード期限までに主力の放出を検討すべきだという論調が例年になく、強まっている。低迷するチームが若手中心の布陣への移行を目指してベテラン選手と交換要員に有望選手を獲得することはよくあることだが、ヤンキースとなれば話は別。常勝を義務づけられる名門球団に再建のための2、3年の猶予は与えられないからだ。
これまでは豊富な資金力を元にシーズン途中に効果的な補強をしてきた。2012年にマリナーズからイチロー外野手を獲得するなど、周囲をあっと驚かせる大物選手の移籍をまとめてきた実績がある。もしヤンキースが「ファイヤーセール」に踏み切れば、「一大事件」だ。
ジラルディ監督は「トレード期限までとても重要な1か月になることは間違いない。上昇のきっかけを見つけなければいけない」と、重圧を感じているようだ。今季のヤンキースには、他球団が興味を示しそうな選手が多い。打者であれば16本塁打を放っているベルトラン外野手、抑えトリオのミラー投手、チャプマン投手を交換要員にすれば、有望な若手選手を見返りに期待できるだろう。
これまでであれば、シーズン途中に主力を放出するようなことは常勝集団に許される手段ではなかったが、今年は少し風向きが変わってきている。ジーター、リベラ、ポサダ、ペティットという往年の名選手が次々と引退し、生え抜きスター候補だったカノもマリナーズへFA移籍。ここ数年でロースターは地味な顔ぶれに変わった。