「先駆者」の功績に高額寄付 米メディアが伝えたイチローの知られざる素顔
二グロリーグ博物館館長が明かすイチローの知られざる逸話
母国語の他にも英語、スペイン語を操るイチローだが、メジャー16年目の今でも通訳を使う。その目的は「言葉の意味を誤解されないように、そして言葉が意味するところが聞き手に正確に伝わるようにする」ため。そういった意味でも、イチローが「一番よく知る言語=野球」を通じて、周りに語りかけることに耳を傾け、目をこらすことは重要だろう。記事では、プラドが「自分の子供たちに、毎日変わらぬルーティンを続けた選手と一緒にプレーしたんだって話せる。彼のように、同じリズムで自分を維持し続けることが、どれだけ大変なことか」と感嘆する様子を伝えている。
いつ何時もルーティンを崩さず、同じ準備を繰り返す。その一方で、元チームメイトのグリフィーJr.が試合前にイチローをくすぐるのをやめた途端に打てなくなり、またくすぐるように頼む意外な一面も。一つの物差しでは測りきれない背番号51について、記事では「イチローは、禅と迷信とこだわりの交差点に生きている」と表現した。
数多く紹介されるエピソードの中でも、ひときわ心に残るのは元二グロリーグの選手で、メジャーで初の黒人コーチとなったバック・オニール氏とのエピソードだろう。
カンザスシティに遠征するたびに、オニール氏の経験談を聞き、交流を深めたイチローは、同地にある二グロリーグ博物館に何度となく足を運び、野球界における有色人種のパイオニアたちの足跡をたどったそうだ。博物館の館長を務めるボブ・ケンドリックス氏は、イチローがそれまでで最も高額の寄付を贈ったことを明かしながら、二グロリーグに関心を向けた理由を推察している。