【特集・イチロー4000本安打の価値】第3回 デレク・ジーター編

イチローが最も優れているところ

 もちろん、ヒットメーカーとしての能力は疑いようがない。

「どこにでも打てること。そこが彼の一番の強みだろう。だから高い打率を残せるんだ。引っ張れるし、逆方向にも打てる。足もあるし、しっかりバットにコンタクトができる。自分のやるべきことを分かっている。状況に応じた打撃ができる。守備位置をみて、どうすればいいか分かっているんだ」

 ただ、イチローが最も優れているところは他にあるとジーターは言う。

「毎日プレーすることかな。キャリアを通してずっと故障せずにね。私が考えるに、やっぱりコンスタント(安定して打ち続けている)であるという答えに行き着く。誰より安定している。常に打っている選手ということだ」

 それはジーター自身が同じプレーヤーであり、同じようにコンスタントにヒットを積み重ねてきたから分かることなのかもしれない。

 イチローは常々「50歳までプレーしたい」と話してきた。そうなれば、いったい安打数は何本まで伸びるのだろうか。ばかげていると言う人もいるかもしれないが、ジーターはそれも可能だと思っているようだ。少なくとも45歳までヒットを打ち続けるイチローの姿は想像できる。

「45歳まで出来るかって? 彼は今43歳だっけ?(笑) それは彼に聞いてよ。でも、彼が望むのなら、できない訳なんてないだろう?」

 次の目標であるタイ・カッブの4191本、そして、メジャー記録であるピート・ローズの4256本に到達しても、今回と同じようにイチローを祝福するに違いない。その才能と努力を誰よりも理解しているのは、紛れもなくこのジーターなのだから。

【了】

【第1回 川崎宗則編はこちら】 | 【第2回 米メディア編はこちら】 | 【イチロー編はこちら】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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