マジック・ジョンソンがカノの移籍に言及?

「カノは大型契約を得られる立場にある」

 今オフ、最大の注目を浴びるスター選手の存在が、思わぬ騒ぎを呼んだ。ドジャースの共同オーナーである元NBAプレーヤーのマジック・ジョンソン氏が、ヤンキースをフリーエージェント(FA)となるロビンソン・カノについて言及したことが、問題視されている。地元紙ニューヨーク・ポストも「MLB(メジャーリーグ機構)がマジックのカノについてのコメントを調査する」と題して取り上げている。

 ジョンソン氏は3日に報道陣に囲まれた際に、ドジャースが獲得を狙っているとされるカノについて聞かれ「それについては話せないが、彼は大型契約を得られる立場にある。ただ、それ(を支払うの)は我々ではない」と答えた。カノは正式にはワールドシリーズが終了するまではFAにならず、ヤンキース所属の選手。他球団の関係者が公の場で獲得意思について発言すればタンパリングとなり、オフの契約交渉に影響を与える可能性がある。

 カノの契約延長交渉は、今オフのニューヨークでの最大の関心事だ。今季は低迷するチームの中で孤軍奮闘を続け、再建がテーマとなるヤンキースとしては絶対に手放せない選手の1人。ただ、10年3億1000万ドル(約300億1600万円)という史上最高額を要求しているとの報道があり、7年1億7000万ドル(約164億7300万円)程度での契約を望んでいるヤンキース側との間には大きな隔たりがある。それでも、複数の関係者は、他球団からどんな額のオファーが来ようとも、カノはヤンキースのことしか考えていないため、残留するだろうとしている。

 また、ドジャースはエースのクレイトン・カーショーとの契約が今季で切れるため、残留交渉に資金が必要なことも、カノ獲得に影響があるとされている。それだけに、ジョンソンの発言については、それほど深刻な問題にはならないとの見方が強い。

 また、同じ記事の中では、契約切れで去就に注目が集まる残りの2人についても触れられている。ヤンキースはジョー・ジラルディ監督に3年1200万ドル(約11億6300万円)でオファーを出したとされているが、今のところ進展はない。他球団では、指揮官の古巣であり、故郷のイリノイ州にあるカブスが獲得を狙っているものの、契約延長交渉が決裂してからでも遅くはないと考えているようだ。

 また、ジラルディ監督と同じくイリノイ州出身のカーティス・グランダーソンについては、カブスと同じシカゴが本拠地のホワイトソックスが獲得に本腰を入れそうだ。ただ、ヤンキースはクオリファイング・オファーを出して、残留交渉に乗り出す方針だという。クオリファイング・オファーは昨オフから導入された制度で、年俸上位125選手の平均額の1年契約をFA選手に提示し、結果的に他球団に移籍した場合は、旧所属球団に移籍先から来年のドラフトの指名権が補償されるというもの。平均額は1380万ドル(約13億4000万円)程度になる見込みで、今季ほぼ同じ年俸だったグランダーソンがオファーを受けるかに注目が集まる。

2008年以来となるプレーオフ進出を逃したヤンキース。ニューヨークの話題は、すでにチーム再建に向けた話で持ちきりだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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