ジラルディ監督続投で、イチローの出場機会が減る?

ヤンキースがジラルディ監督との契約を2017年まで延長

 日本人選手への影響はどう出るだろうか。ジョー・ジラルディ監督がヤンキースとの契約を2017年まで延長することに合意した。米全国紙USAトゥデーによると、契約は4年間で総額1600万ドル(約15億7000万円)となる見込み。当初から予想されていたこととはいえ、イチローの起用法などに大きな影響がありそうだ。

 契約が今季までだったジラルディ監督に対しては、地元オハイオ州のカブスなどが興味を抱いていた。しかし、メジャー随一の名門球団を指揮することは、どの監督にとっても魅力的すぎる。ジラルディは、今季はプレーオフ進出を逃し、再建を目指すチームについて「私もその一部になりたい。トップに返り咲くために、その一部になりたい。それは私にとって重要なことだ」と話している。

 ヤンキースの監督に就任してからの6年間で564勝。これはメジャー最多の数字だ。そして、2009年にはワールドシリーズも制覇した。一方で、2008年と今年の2度、ポストシーズン進出を逃しているが、続投に支障はなかった。今季限りでマリアノ・リベラとアンディ・ペティットが引退し、ロビンソン・カノもフリーエージェントとなった。さらに、アレックス・ロドリゲスは薬物規定違反で来季は出場できない可能性が高い。問題は山積みだが、「優勝できないと思っていたら、戻ってこない」と話しており、チームを立て直す自信があるようだ。

 ただ、イチローにはプラスに働かない可能性が高い。今季はシーズン序盤から出場機会が限定され、調子が上がらない原因の1つとなった。途中出場しながら途中交代させられるという屈辱もあった。配慮に欠ける采配に不満を募らせることもあっただけに、来季も同じ状況が続けば、シーズン中のトレードなども十分に考えられる。

 一方で、エースとして絶大な信頼を寄せられている黒田博樹にはプラス材料か。ブライアン・キャッシュマンGMもすでに残留を熱望している。引退や日本復帰の可能性もあるだけに、何とかして説得したいところ。さらに、ニューヨークの地元紙ニューヨーク・ポストによると、ラリー・ロスチャイルド投手コーチの契約延長も近いうちに決まる見通しだという。黒田とは強い信頼関係で結ばれており、こちらも残留に向けてプラスに働く可能性が高い。

 王座奪回を目指すヤンキースの中で、日本人プレーヤーはどんな役割を任されることになるのだろうか。できれば、チームの中心にいることを願いたいのだが。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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