【イチロー4000本安打の価値】イチローの言霊(後編)

3年間できっちり作って4年目でレギュラーというプラン

――リベラとジーターの画の話に戻りたい。そこに相応しい自分でいたいという意味か?

「相応しさというのは、数字だけではない。もちろん結果は大事なことだけど、出ている雰囲気や空気が全く合わない人がいる。このピンストライプが似合わない人がいるじゃないですか。僕は似合うかどうかは別として。そういう人は結果を出しても無理だと思う。そういうことが僕にとっては大事」

――イチメーターのエミリーさんは日本人ファンから『引退するまで応援し続けてくれ』と言われて、それが支えになっていると言っていたが。

「エミリーに『引退するまで応援して』って頼むより、その人たちだって応援してよ。なに人に頼んでんのよ。俺は違う所へ行くから、あとは頼むよっていう言い方はやめてほしいよね(笑)。俺たちもやるからって言ってほしいよね。その方が嬉しいよね。いや、それはまさに原動力です。プロ野球ってのは、そういう人たちがいてだから。今日だって観てくれる人がいなければ何も生まれないですから。そこがアマチュアとの大きな違い。プロ野球選手はそうでなければいけないし、それが大きな原動力になることは間違いない」

――平和台1本目のヒットで球場は沸いていたのか?

「沸く訳ないじゃないですか。味方のベンチだってそんなのないですよ。18歳の小僧がね。その筋の人の雰囲気があって、怖いじゃないですか。むしろ潰してやりたいくらいでしょうね。気持ちとしては。そりゃ気に食わないと思いますよ。18歳で7月に一軍に来てヒットなんて、嬉しくないでしょ。きっと。だから3年は、という思いがあったんで。なんで3年かというと、4年後には大卒で同じ年齢の選手が入ってくるので、3年間で自分をきっちり作って、4年目でレギュラーを取ってというプラン。5年目では遅い。高校卒業で、そういうプランがありました」

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