メジャーで今季最も費用対効果が高かった日本人は上原浩治!?

黒田、ダルビッシュ、イチローの評価は?

 例えば、ヤンキースの黒田博樹(38)は今季の年俸が日本人最高額の1500万ドル(約14億6550万円)だった。ただ、CC・サバシアが不調の中、ヤンキースのエースと呼ばれるほどの活躍を見せた右腕に対する評価は高い。

 終盤戦に失速し、32試合に登板して11勝13敗、防御率3・31でシーズンを終えたものの、黒田がいなければヤンキースは9月まで優勝争いにとどまることすら出来なかっただろう。援護に恵まれていれば、15勝10敗程度の成績が残っていてもおかしくなかった。3年連続200イニング登板と1年間ローテーションを守り続けたことも、米国では大きな価値を持つ。

 ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、シーズンが終了してから早々に「来年も戻ってきて欲しい」とラブコールを送り、地元メディアの中にも残留を望む論調しかない。1500万ドル以上の価値を示したことは明らかだ。

 レンジャーズのダルビッシュ有(27)は6年総額5600万ドル(約54億7000万円)の契約の2年目で、今季の年俸は950万ドル(約9億3000万円)だった。故障者リスト入りは1度あったものの、黒田と同様に先発ローテーションを守って209回1/3を投げた。13勝9敗、防御率2・83、277Kで、堂々の奪三振王も獲得。後半戦に援護に恵まれれば、こちらは20勝近くまで白星を伸ばしていた可能性もある。エースとして年俸以上の働きを果たしたと言える。

 最後に、イチロー(40)の2年契約にはついては、評価が分かれるところかもしれない。年俸650万ドル(約6億3500万円)は、ヤンキースの中では決して高くない。最後まで完全なるレギュラーポジションは取れず、起用法は年俸に見合ったものだった。

 ただ、ジョー・ジラルディ監督は「1年間ケガなくプレーしてくれた」と主力の故障が相次いだチームで健康を維持したことを高く評価。事実、イチローの存在によってチームが救われた部分は大きい。また、年俸の価値以上となるレギュラーポジションを与えられていれば、いずれも自己ワーストとなる136安打、打率2割6分2厘、20盗塁という数字以上の結果を残せていたかもしれない。今年40歳となるイチローとの複数年契約には批判の声もあっただけに、来季はその不安を吹き飛ばす活躍に期待がかかる。

 来季は楽天・田中将大(24)のメジャー挑戦も確実視されている。松坂大輔(33)やダルビッシュ同様に、ポスティング・システムの落札額も含めて評価されるだけに、獲得球団が「ペイ」出来たのかを厳しい目で評価されることになる。今季、多くの日本人選手がその存在を印象づけたように、自らの価値を投球で示してほしいが、果たしてどうなるか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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