マー君のメジャー挑戦にも影響 ポスティングシステムはどうなる?

田中獲得に関するメジャー側の本音とは

 田中のメジャー挑戦については、まだ本人が意思を表明していないにもかかわらず、日米双方のメディアを賑わせている。今年のレギュラーシーズンで24勝無敗、防御率1・27と伝説的な成績を残し、特に米国内では「実力はダルビッシュよりも上」と何度も報道された。MLB側の懸念通りに、落札額の予想は高騰の一途をたどっている。

 ただ、大枚をはたいてでも今オフに田中を獲得したいというのがメジャー球団の本音。戦力として評価しているのはもちろんのこと、入場料収入やグッズ販売等でもあっという間に落札額を取り戻すことが可能だからだ。田中はそれだけの実力と話題性を兼ね備えている。

 すでに「ヤンキースが落札に6000万ドル(約59億円)を用意している」との報道も出ており、ドジャース、レッドソックスなど資金力のある球団も同レベルの額を入札する可能性が高い。もはや上位3球団制にしても金額を抑えられるとは考えにくい。それよりも、ポスティングシステムが失効したままで、田中を獲得する術がない方が問題となる。ならば、旧制度のままでもいいから、システムを復活させてほしいということなのだろう。

 日本シリーズが終われば、争奪戦は最終章に突入する。今季、田中の視察に訪れていないメジャー球団は1つもないという。また、ほぼ全ての米国メディアが、田中がポスティングシステムを利用して来季からメジャー挑戦することは当然という論調で報じており、NPBとMLBの交渉が完全に決裂するとは考えにくい。双方の思惑が、田中の今オフのメジャー挑戦を実現させる方針で一致している。

 田中の圧倒的な実力と成績が、MLBをも“屈服”させてしまうのか。結論は間もなく出るはずだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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