メジャーでとどまる気配のない“マー君株”の上昇傾向

カブスが田中将大の獲得を「最優先事項」に

 また1チームの参戦が明らかになった。大リーグ公式サイトは、カブスが楽天・田中将大の獲得を今オフの「最優先事項」にしていると伝えた。これを受けて、米複数メディアがカブスの参戦について報道。オーナーグループやセオ・エプスタインGMらが獲得に本腰を入れている模様で、争奪戦がさらに激しさを増してきた。

 記事は、田中が完投勝利を挙げた巨人との日本シリーズ第2戦の前に掲載されたもので、この試合に関係者を派遣したことも示唆。ポスティング・システムでのメジャー挑戦となった場合、ヤンキース、レッドソックス、レンジャーズ、ブルージェイズ、マリナーズ、ドジャースを中心に多くの球団が入札に参加する見込みだという。米紙ニューヨーク・タイムズによればエンゼルスも獲得を狙っており、これで候補は8球団となった。

 田中は組織のニーズに「完全にフィットする」とされている。カブスは2年前にダルビッシュ有のポスティングにも参加したが、レンジャーズに競り負けた。ただ、キューバ人のヨエニス・セスペデス(アスレチックス)や韓国人の柳賢振(ドジャース)が市場に出た際にも興味を示しており、外国人選手の獲得には積極的だ。

 さらに、他の多くの報道と同じように、田中の投手としての特徴にも言及。97マイル(約156キロ)の直球とスプリットで多くのゴロと空振りを取れるとしている。来季を25歳で迎える右腕の全盛期は2015年になると予想。それは、現在は再建途上にあるカブスが、若手の育成とFA選手の獲得によって、プレーオフ進出を狙えるようになる年だという。

 また、田中が今年3月のWBCで印象的な投球をしたものの、日本が準決勝のプエルトリコ戦で敗れたため、予定されていた決勝での先発がかなわなかった点も指摘。ドミニカ共和国との頂上決戦で投げれば、メジャー球団にとって「ショーケース」になるはずだったとしている。

 米国での報道が過熱する中、右腕は日本シリーズでも連勝記録を伸ばした。カブスも資金力は潤沢とされており、“田中株”の上昇はとどまる気配がない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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