日本が生み出した究極の安打製造機・イチロー 来季の去就はどうなる?

地元新聞は来季について厳しい見解を示す

 来季の外野の構想について、地元紙ニューヨーク・ポストはイチローに厳しい見解を示している。10月20日付の電子版の記事で「カーティス・グランダーソンがクオリファイング・オファーを受け入れた場合、チームはイチロー・スズキを(ヤンキースタジアムがある)ブロンクスから“取り除く”作業に入ることになる」と書いているのだ。FAとなるグランダーソンに対して、チームがクオリファイング・オファーを出すことはすでに多くのメディアが報じている。さらに、定位置を約束されたアルフォンソ・ソリアーノ、ブレット・ガードナーが契約を残しており、この3人で外野を形成するというのだ。

 さらに「もし、グランダーソンが去ることになっても、スズキが残ることを意味するわけではない」とも記している。その場合は、FA選手の獲得に動くという。同紙は「ヤンキースが(レッズの)秋信守を獲得できた場合、スズキが犠牲になる」と指摘。しかも、秋信守だけでなく、カージナルスのカルロス・ベルトランも獲得候補に挙がっている。この見方が正しければ、来季途中どころか、今オフにもトレードされる可能性が出てきてしまう。

 ヤンキースは選ばれた者がプレーするチームだ。数々の偉大な記録を打ち立ててきたイチローがピンストライプの似合う選手であることは間違いない。だから、昨年、ファンは熱烈に迎えてくれたのだ。ただ、今季の起用法を見ると、このチームにとどまることは、かえって“いばらの道”となるかもしれない。悲願の世界一を目指すとしても、来季の名門球団には厳しい戦いが予想される。だから、トレードがプラスに作用する可能性もあるのだ。

 多くのファンがヤンキースでプレーするイチローを見たいと願うだろう。ただ、毎日1番で試合に出続けるイチローも、劣らず魅力的だ。この2つを同時に叶えるには、あまりにも障害が多すぎる。本当に必要としてくれるチームで暴れ回り、ヤンキースを後悔させる。これもまた、イチローらしい姿かもしれない。

ichiro

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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