米紙が異例の呼びかけ“上原を好きにならなくては”

レッドソックスを嫌いでもコージは好きにならなくては

 世界一の守護神まで、あと1勝だ。レッドソックスはワールドシリーズ第5戦でカージナルスを破り、3勝2敗として王手をかけた。この試合でも、上原浩治は4人を完璧に抑える快投で1シーズンでのポストシーズン最多タイとなる7セーブ目を記録。安定感抜群の守護神について、米全国紙USAトゥデー電子版は特集を組み「レッドソックスには最も素晴らしく、最高に愛すべきクローザーがいる」と題して、その魅力に迫っている。副題で「レッドソックスを嫌いでも、38歳のクローザーは好きにならなくてはいけない」と読者に呼びかける異例の記事だ。

 冒頭では、今季のチームの象徴となっているヒゲなど、レッドソックスのあらゆることが憎くても、コージ・ウエハラは嫌いになれないとしている。「レッドソックスのクローザーを嫌うことは不可能だ。試してみるがいい。うまくいかないから」と書かれている。

 それはなぜなのか。最も大切なのは、素晴らしい投手だからだという。ポストシーズンに入る前にも、上原は歴史的なレギュラーシーズンを過ごした。今季のWHIP(1イニングあたりの安打+四球)0.565は、過去にシーズン50イニング以上を投げた投手の中でも最も低いとしている。また、9イニングで換算すると平均12.2個の三振を奪取。1回の四球を出すまでに11.22個の三振を奪うほど、コントロールも抜群だ。そして、防御率は1.09。同紙は、これらは「途方もない数字」で「彼はモンスターだ」と表現している。

 ただ、魅力はこれだけではない。上原はクローザーに指名される前から、ボストンのファンの心をキャッチしていた。それは登板後に見せるパフォーマンスが大きかった。ピンチを切り抜け、ダッグアウトまで走って戻ると、視界に入ってきた1人1人と激しくハイファイブ(ハイタッチ)する姿は、早くから注目されていた。記事では「もし上原とハイファイブしたくなくても、気にしなくていい。いずれにしろハイファイブする羽目になるから」と書かれている。

 また、チームの象徴的存在であるデビッド・オルティスと仲がいいことにも触れられている。勝利後にオルティスが上原を抱え上げる恒例行事では、巨大な強打者と小さなクローザーが愛情を持って抱き合っている。

 さらには「上原がカズを試合に連れてきて一緒にフィールドでウォーミングアップするようになったことで、ベースボールファンの心を溶かすことに成功した」と、人気者の長男・一真くんについても、しっかり書かれている。

 同紙は29日付の紙面でも、スポーツ面のトップに上原の写真を大きく掲載している。世界一の人気と実力を兼ね備えた守護神が、日本から生まれようとしている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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