目下ストーブリーグの主役はオリックス 本気で狙う6年ぶりAクラス

6年ぶりのAクラス入りを目指して補強を進めるオリックス

 徐々に動きが活発化するストーブリーグでは、ドラフトでも大成功を収めたオリックスが現時点での主役だ。シーズン終了後、すぐにウイークポイントを分析し、補強リストを作成。各選手の体の状態、モチベーション等をチェックしており、解禁日になり次第、FAになる選手や戦力外、自由契約になる選手にアタックを開始する。

 球団関係者が「彼は功労者だし、こちらもまだまだできると思っている」と話すなど、補強の最大の目玉になりそうなのが、巨人を自由契約となった谷佳知外野手(40)。谷はオリックスに在籍した2006年オフに巨人の若手2選手、長田昌弘内野手、鴨志田貴司投手と1対2のトレードで移籍。当時は高額な年俸がネックとなり、オリックスサイドが谷を放出という形で巨人に渡したのが実情だった。

 しかし、現在と当時では編成トップをはじめフロントの大半が入れ替わっており、しこりは残っていない。さらに昨年途中から、ダイエー(現ソフトバンク)、ロッテで編成のトップにいた瀬戸山隆三氏(60)が球団本部長補佐としてフロント入り。今月1日には球団本部長に就任しており、今年のオフの動きに関心が集まっている。

 オリックスは谷のセンスや練習姿勢を評価しており、以前、在籍していた環境ならば、すぐに順応できると判断した。外野の不動のレギュラーは糸井嘉男と坂口智隆。今季、坂口は打率2割3分と低迷したが、実力は高く、センターとライトのポジションは確定的。しかし、左翼はシーズンを通じてレギュラーと言える存在が出てこなかった。谷に対しては、その左翼のレギュラーとしても期待をかけている。

 また、指名打者もT-岡田が今季2割2分2厘、4本塁打と伸び悩んでおり、谷が加入すれば、怪我がちの糸井や坂口、T-岡田、若手とともに、外野とDHを流動的に回していけるだろう。40歳のベテランは、下半身が丈夫で打力、走力ともに健在。何よりも巨人の在籍7年で5度も優勝した経験は大きな力になる。

 オリックスの強化は、捕手にも目が向けられている。小久保ジャパンに選ばれた24歳の伊藤光は2011年から頭角を現したが、経験不足は否めない。そこを補える捕手の補強が急務であり、ソフトバンクをFAとなった山崎勝巳捕手(31)も狙っている。もちろん正捕手としての期待も高く、獲得できれば、投手陣の強化にもつながる。

 すでに日本ハムを戦力外になった榊原諒投手(28)、巨人の育成で潜在能力の高い丸毛謙一外野手(25)を秋季練習に参加させることも決定的。また、獲得が実現すれば、大きな注目を浴びるのはメジャーリーグ・オリオールズをFAとなった和田毅投手(32)、ブルージェイズFAの川崎宗則内野手(32)、西武からFA宣言した片岡治大内野手(30)の3人だ。彼らは他球団も狙っていることから、獲得へのハードルは高いが、球団側のチーム強化に対する本気度、意気込みが伝わってくる。

 2000年以降のAクラス入りは2位となった2008年の1度だけ。今季もクライマックス・シリーズ進出争いを繰り広げながら、手が届かず5位に終わった。今オフは理想とする戦力補強を実現させ、来季、台風の目となりたいところだ。

orix

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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