メジャー強化担当が評価 ヤンキース黒田は来季も活躍できるのか

来季39歳で開幕を迎える黒田博樹への評価

 ヤンキースからの提示されたクオリファイングオファー、1410万ドル(約13億9600万円)の単年契約を拒否した黒田博樹投手(38)には今後に控えるヤンキースや他球団との条件交渉にプラス材料となるであろう、メジャーリーグ幹部からの声が届いた。

 11日からオーランドで開催中のメジャーリーガーの来季去就を左右するGM会議に際し、ESPNが独自に21球団のGMやGM補佐、スカウトやマネジメント会社に行った市場調査アンケートが全米で話題になっているが、楽天イーグルスの田中将大投手の去就問題に続き、今季序盤戦の力投で全米を湧かせた黒田も大きな注目を浴びている。

 テーマはリーグを代表するベテラン右腕投手の賞味期限、つまり来季以降、誰がどこまで活躍できるかというものだ。フィラデルフィア・フィリーズのロイ・ハラデイ投手(36)、アタランタ・ブレーブスのティム・ハドソン投手(38)、そして、黒田の3人がアンケートの対象となった。

 いずれも名だたる名投手だが、それぞれ大なり小なりの問題を抱えている。ハラデイは2003年、10年にサイヤング賞を獲得したビッグネームだが、ここ数年は右肩痛に悩まされている。今季は4勝5敗、防御率6.82と不振に。ハドソンは7月24日のニューヨーク・メッツ戦で一塁ベースカバーに入った際にベース上で相手外野手に右足首を踏まれて骨折。成績は8勝7敗で防御率は3.97にとどまり、整復手術も受けた。

 黒田の今季成績は11勝13敗で、防御率は3.31。プレーオフ進出を逃した不振のヤンキースにおいて、負け越したことを除けば立派な数字だ。だが、7月17日のオールスター以降の数字が3勝7敗。防御率4.75だったことが、今回のノミネートの理由だ。

 メジャーリーグの有力インサイダーの投票結果はこうだった。黒田が12票、ハドソンが8票で、ハラデイはわずかに1票。つまり、黒田は来季以降も活躍できるという強化部全体の判断だ。

 ある球団のGM補佐は語る。「黒田は特に問題ないだろう。ハラデイは球速が6~4キロ落ちたし、今季の出来が酷すぎた。彼は不屈の戦士だが、来季違いを生み出せるかわからない。ハドソンは負傷以前から黒田ほど出来は良くなかったし、今は大怪我から復帰の過程にある」。

 来季開幕時には39歳となる黒田だが、今回の特集では依然、球威や球速に衰えが見られないと指摘されている。問題は走者を背負った際の被打率が前半戦は低かったが、オールスター後に上がったこと程度だという。クオリファイングオファーを拒否されたヤンキースだが、依然、黒田を高く評価しており、今後の交渉で黒田に対する条件面の上積みは見込めそうな気配となっている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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