マー君獲りに動くヤンキースのオーナーがチーム再建に資金投入を示唆

Aロッドが出場停止にならなくとも補強に動く

 名門球団はやはり再建に向けて金を惜しまないようだ。楽天・田中将大(25)の獲得を目指すヤンキースのオーナーのハル・スタインブレナー氏が、GMミーティングとオーナー会議が行われているフロリダ州オーランドで取材に応じ、今オフの補強方針について初めて口を開いた。“贅沢税”対策のため、節約が報じられていたヤンキースだが、実際は金を使う準備があるようだ。米国のケーブル局ESPN電子版が報じている。

 スタインブレナー・オーナーは、FAシーズンが本格化したらヤンキースは“ショッピング”のために金を使うつもりであることを明言した。

「仮にアレックス・ロドリゲスが三塁手としてプレーしても、現在の穴を埋めるのに使うためのかなりの金額があって、我々はそれを実行しようと思っている」

 薬物違反でMLBと争っているAロッドの来季中の出場停止が決まれば、年俸が浮くことになるが、仮にそうでなくても補強は惜しまないというのだ。スタインブレナー氏によると、贅沢税を逃れるために、選手の総年俸を限度額の1億8900ドル(約187億5500万円)に収めることは依然としてゴールではあるが、今季地区4位に終わりプレーオフ進出を逃したチームを再建するためには、これは絶対的な“命令”ではないという。

 オーナーは「ファンが我々に何を期待しているかは分かっている。毎年、ベストチームを作ることを目指している」と話している。来週からは、FAになったロビンソン・カノとの残留交渉も再開。今オフ最大の目的であるスーパースターの残留を目指す交渉は「まだプロセスが始まった段階に過ぎない」と言う。カノは10年総額3億ドル(約297億5700万円)を要求しているとされていて、ブライアン・キャッシュマンGMも交渉の長期化を覚悟していると明かしている。

 さらにオーナーは、昨年のポストシーズンで左足首を骨折し、今季のほとんどを棒に振った主将のデレク・ジーターが来季復活することを期待。今季限りで引退したマリアノ・リベラの後継者候補はセットアッパーだったデビッド・ロバートソンになる見通しだが、まだ経験したことがないだけに、完全に決定しているわけではないことにも触れている。

 この会見では、田中についても「とても気に入っている」と初めて印象を語ったスタインブレナー。獲得に動くことはやはり確実だ。名門が2年連続で低迷することは許されない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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