岩隈に朗報か マリナーズが強力打線に?

マリナーズは大型補強に乗り出すのか?

 弱小球団が今年こそ大型補強に乗り出すかもしれない。米FOXスポーツ電子版は「マリナーズがすべてのフリーエージェント(FA)選手の獲得を考えている」と題した記事を掲載した。近年低迷を続けるマリナーズが、今オフのFA市場で大物打者の補強を狙っているという。名物記者のケン・ローゼンタールによる記事で、実現すれば岩隈久志投手(32)にとっては朗報となる。

 マリナーズが獲得を希望している選手のリストには、マイク・ナポリ、ネルソン・クルーズ、カルロス・ベルトラン、ジャコビー・エルズベリー、秋信守と今オフの注目野手がずらりと並ぶ。先発投手とクローザーも補強ポイントだが、打者が優先事項だという。

 ここ数年、チームは強力打者の補強に動きながらも、失敗に終わってきた。FAとなったジョシュ・ハミルトン(エンゼルス)、プリンス・フィルダー(レンジャーズ)を獲得できず、ジャスティン・アップトン(ブレーブス)にはトレードを拒否された。本拠地のセーフコ・フィールドは投手有利とされており、中南米の選手にとってはシアトルが遙か遠い土地であることも理由の1つであるという。

 こういった状況を変えるために、マリナーズは来季から新指揮官のロイド・マクレドンの元で新たなアイデンティティーを確立し、勝利の文化を築く必要がある。また、今年のオフシーズンも不毛となると決まっているわけではない。FA選手を獲得するためには、より多くの金額を支払えばいいだけだ。

 捕手のマイク・ズニーノを除き、チームには若手有望株の強打者がいない。したがって、ジャック・ズレンシックGMはチームを変えるために行動を起こさないといけない。ただ、FA選手は大金に飛びつく可能性があるのだという。特に、エルズベリーと秋信守の代理人は強欲で知られるスコット・ボラスだけに、チャンスがあるかもしれない。

 2人のメジャーリーグ関係者は、最近のマリナーズのアプローチについて、同じ言葉で表現したという。「絶望的だ」と。だが、絶望的なチームであっても、方針の転換や投入する資金の額次第で状況を打破できる可能性を秘めている。今季、岩隈は味方打線の貧弱さに苦しめられた。援護が十分にあれば、サイ・ヤング賞の投票結果が3位に終わることはなかったかもしれない。もし強力打線がバックに付けば、メジャー3年目に最高の栄誉を手にする可能性は十分にある。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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