プロ野球の契約更改交渉にみる「アップ率」って何?

新人選手の「アップ率」が高かった今オフの更改

 活躍した選手はご褒美として年俸がアップする。現在、報道されている契約交渉は来季の年俸を決めるものであり、単純計算で、その金額を12で割った分が月の給料として、球団から選手に支払われる。たとえば、1億2000万円の選手ならば、毎月1000万円が給与口座に振り込まれることになる。

 この契約更改の場で、よく「アップ率」という言葉を耳にすることはないだろうか。これは「アップ額」とは違い、パーセンテージで表されるもの。前年に契約を交わした今季の年俸分からの増加率を示す数字であり、この数字が大きければ大きいほど、球団への貢献度が高かったことを意味する。

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新人選手の年俸アップ率

 今年は新人選手たちのアップ率の高さが非常に目立った。1年目ということで、もともとの年俸が比較的低いということもあるが、

 ヤクルト・小川泰弘投手(新人王、最多勝)……1200万円から4400万円アップの5600万円(推定)

 巨人・菅野智之投手(13勝6敗で巨人のリーグ連覇に貢献)……1500万円から5500万円アップの7000万円(推定)

 楽天・則本昂大投手(楽天の初優勝に貢献、新人王を獲得)……1200万円から4800万円アップの6000万円(推定)

 の3選手で見てみると、アップ率は以下の通りとなる(※アップ率(%)=年俸の増加分÷今年の年俸×100)。

小川は4400万÷1200万×100で367%

菅野は5500万÷1500万×100で367%

則本は4800万÷1200万×100で400%

 このようにチームへの貢献度、あるいは飛躍度がこのアップ率で分かる。そのほか、ソフトバンクの千賀滉大投手が650万円から2650万円アップの3300万円で更改。今季チームトップの17ホールドをマークし、オールスターにも出場した3年目の右腕のアップ率は408%で、ソフトバンクの球団史上最大となった。この数字には、彼への期待値も多分に含まれている。

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