米全国紙が検証 マー君はダルビッシュよりも上?

3投手のNPB時代の成績

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3投手の比較表

 楽天・田中将大投手(25)がメジャー挑戦の意思を表明したことで、米国内での報道はさらに過熱してきた。全国紙USAトゥデーでは「田中はメジャーでダルビッシュよりも上になれるか」と題した記事を掲載。まだ楽天がポスティング・システム(入札制度)の申請を認めるかは分からないが、松坂大輔を加えた3人の渡米前の3年間の成績を比較し、海を渡っても成功できるかを早くも占っている。

 同紙は、田中がダルビッシュよりも上だとするスカウトの話を紹介。日本での成績がメジャーでの成功を保証するわけではないことを前置きした上で、2人(ダルビッシュは2009~11年、田中は2011~13年)の渡米前の3年間の成績を同じ期間の平均値とともに表で紹介し、比較している。

 防御率は、ダルビッシュが1・64に対して田中が1・44となっている。ただ、NPB全体の平均に0・46の差があり、単純に田中の方がいいとは言えない。また、ダルビッシュの方が四球率は高いが、逆にWHIP(1イニングあたりの安打+四球)の数値は低い。つまり、ヒットを打たれた数はダルビッシュの方が低いことが分かる。

 結果として、3年間の数字で見ればダルビッシュの方が田中よりも「支配的」だったとしている。田中の24勝0敗、防御率1・27という今季の成績があまりにも強烈だったことは間違いないが。

 もちろん、考慮するべき点は他にもある。同紙は、日本ハムの本拠地である札幌ドームの方が、楽天の本拠地Kスタよりも投手に有利であると指摘。また、2011年から統一球が導入されたことにも言及している。さすがに、「飛ばない」とされていたボールが、こっそりと今季から変更されていたことには触れられていないが……。

 また、記事では松坂についても説明。アメリカの野球と、レッドソックスでの調整法に苦しんだ右腕は、2008年までは良かったが、その後は失望のシーズンを送った。そして、ダルビッシュ、田中と同じように渡米前3年間の成績を表で紹介している。

 松坂自身とNPB平均の防御率の差は、田中とほぼ同じ2・71。ただ、時代や状況が異なっており、単純に比較するのは難しい。

 重要なポイントは、田中が日本でダルビッシュと同じか、それ以上の成績を残した投手であると考えるのは、あまりいい考えではないということだ。ダルビッシュは特別なタレントであり、まだ実際にメジャーで見たことのない投手の方が彼よりも素晴らしいと判断するのは、愚かな行為だという。やはりメジャーで田中を見てみないと分からない。だからこそ早く見たいと、ファンだけでなく関係者も望んでいる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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