補強の鍵を握るのは税金? ヤンキースを蹴った秋信守のケースから見る移籍先の選び方

州税に所得税が存在しないテキサス州

 ダルビッシュ有投手の活躍するレンジャーズへのFA移籍が決まった秋信守がヤンキースからの大型オファーを固辞していたのはFull‐Countでもすでに紹介したが、その選択の鍵となったのは州税だったことが明らかになった。ニューヨークポストが報じた。

 ヤンキースが秋サイドにオファーを出したのは、ジャコビー・エルスベリーと7年1億5300万ドルの大型契約で合意した頃だという。秋へのオファー内容も7年契約総額1億4000万ドルという巨額オファーだった。

 だが、そもそも秋自身がレンジャーズを新天地の第一志望にしていたこともあり、実現せず。絶大な出塁率を誇る秋は最終的にレンジャーズと7年1億3000万ドルというヤ軍よりも低い条件で契約することになった。ただ、秋と契約する敏腕で鳴らすスコット・ボラス代理人は金銭面など条件にこだわることで知られており、なぜ、この移籍にゴーサインを出したのだろうか。その理由は、州税にあるという。

 石油などの天然資源が豊富なテキサス州は税収が潤沢なために、州税に所得税がない。レンジャーズにおける1億3000万ドルは所得税が徴収されるニューヨーク州のヤンキースにおいては1億4700万ドルにも相当するというのだ。700万ドルの違いは大きい。

 レンジャーズのみならず、NFLダラス・カウボーイズ、NBAヒューストン・ロケッツというテキサス州に本拠地を置くクラブは、州税における所得税なしという恩恵も手伝い、選手に人気の移籍先となっている。今後のストーブリーグはチームの本拠地の州に注目すると一層楽しめるかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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