ナックルボーラー大家友和の挑戦 ブルージェイズ入団のメリットとは

米国復帰のポイントとなったナックル取得

 日本の独立リーグの選手がメジャーリーグの球団と契約――。こんな夢のあるニュースは滅多に聞くことが出来ない。ただ、その選手が大家友和投手(37)だとなれば、決して驚くような話ではない。

 かつてマイナーから這い上がり、バリバリのメジャーリーガーとして活躍していた右腕は、5年ぶりのメジャー復帰を目指して昨年12月16日にブルージェイズとマイナー契約を結んだ。開幕は2Aでスタートする見込みだが、メジャーの春季キャンプに招待選手として参加する「破格」の条件も盛り込まれている。ナックルボールという新たな武器を習得した右腕は、再び夢舞台への挑戦権を手にした。

 先月25日に昨季の所属先である独立リーグのBCリーグ富山で入団会見を行った大家は「レベルが数段高い選手を相手に、全然違う環境で自分がどこまでやれるか分からないですが、毎日食らい付いていきたい」と力強く話した。15年前のようなハングリー精神で、海を渡ることになる。

 1998年オフ、22歳だった大家は横浜にメジャー挑戦の希望を認められ、レッドソックスとマイナー契約を結んだ。日本でも1軍と2軍を行き来していた右腕の挑戦に大きな注目が集まることはなかったが、1年目にメジャー昇格ばかりか初勝利まで記録。2001年途中にエクスポズに移籍してからは完全にメジャーに定着した。ブルージェイズにも2007年に所属し、日本人として野茂英雄に続く史上2人目(当時)の通算50勝を達成。2009年にインディアンスを退団後、翌年にはメキシカンリーグを経て横浜に復帰したが、2011年に自由契約に。1年のブランクを経て昨季は富山に入団し、7勝7敗、防御率3.73の成績をマークしていた。

 新たなチャレンジで武器となるのは、ナックルボールだ。2011年に右肩を手術してから球速が上がらなかったため、スタイルチェンジを決断。昨年10月には、渡米してアリゾナ州で“魔球”の指導を受け、自分のものにしてきた。

 そして、このナックル習得が米国復帰への大きなポイントとなった。

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