マー君の争奪戦がさらに過熱? プライスがレイズ残留も

プライスの残留が田中の価値をさらに高める結果に

 マー君の価値が、さらに高まりそうだ。米紙タンパベイ・トリビューンは、地元チーム・レイズのエース左腕デビッド・プライス(28)が今季も残留する可能性があると報じた。これまではトレードに出されることが既定路線とされていたが、チームが方針転換したようだ。もしそうならば、市場にはトップクラスと評価される投手が楽天からポスティングされた田中将大投手(25)だけとなり、争奪戦はますます過熱するかもしれない。

 キャンプインまで約6週間となったものの、プライスに動きはない。同紙は「(オフに入り)全てのサインが、プライスがトレードされることを示していた」と認めているが、果たしてどうなっているのか。

 昨年9月の時点で、スチュアート・スタンバーグ・オーナーは選手の総年俸を減らすことを示唆。昨季の約1011万ドル(約10億6000万円)から1310万ドル(約13億7500万円)まで年俸が上がるとされているプライスには、放出の噂が絶えなかった。しかも、左腕は2年後にFAとなる。過去にはマット・ガーザやジェームズ・シールズも同じタイミングでトレードに出されている。

 ただ、ここでプライスを出しても、彼よりもいい選手を獲ることは出来ない、と同紙は指摘する。もし、理にかなうようなトレードが成立するなら、レイズはプライスを出すことになる。ただ、そうでなければ、2012年のサイ・ヤング賞左腕にチーム史上最高額の年俸を支払うことも厭わないというのだ。

 実際に、副社長も務めるアンドリュー・フリードマンGMは、2014年の選手総年俸が過去最高になることを覚悟していると示唆。ただ、プライスを含めても7280万ドル(約76億4000万円)程度の見込みで、2億ドル(約210億円)を超えるヤンキースなどに比べれば安いものだ。

 フリードマンGMは「来年は素晴らしいシーズンを送る大きなチャンスがある。それが、我々が今このような方法をとっている理由です」と話す。プライスがエースとして残留すれば、先発ローテーションは非常に強力となる。開幕投手を任されることも間違いないだろう。ここまでも例年以上に戦力強化に力を入れており、資金を注ぐ価値はあると見ているようだ。

 もっとも、2010年オフのガーザは年明けに成立しており、予断は許さない。田中の動向が何らかの影響を与える可能性もある。田中を獲得できなかったチームが、プライス獲りに方針転換するかもしれない、と同紙は言及している。ただ、逆にプライスが獲得できないと分かれば、狙っていたドジャースなどは再び田中との契約に興味を示す可能性もある。そうなれば、争奪戦はさらに激しさを増すことになる。

 過去には、チームの顔ともいうべき選手をトレードに出し、有望な若手を獲得することで信じられないような成果を上げてきたレイズ。チーム強化のうまさはメジャーNO1と評価されているだけに、今後の動きにも注目が集まる。もしプライスが残留した場合、激戦のア・リーグ東地区で少ない予算ながら毎年、プレーオフ進出争いを繰り広げるダークホースは、ヤンキースやレッドソックスから開幕早々に主役を奪う可能性もありそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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