マー君の決断は? 移籍先の有力候補とされる5球団の特徴を探る

圧倒的資金力のドジャース、先発補強が急務のエンゼルス

【2】ドジャース

 先発投手が揃っているという点では、他球団と状況が大きく異なる。ただ、西海岸の人気チームには有り余るほどの資金がある。2012年5月にオーナーが代わり、タイム・ワーナー・グループと新たに契約を結ぶことが決定済み。その額は25年間で総額70億~80億ドル(約7360億~8400億円)という天文学的な数字だ。現状では、先発で空いているのは5番目のイスだけだが、それでも田中を獲りに行く価値はあると見ているようだ。

 クレイトン・カーショー、ザック・グレインキー、柳賢振、ダン・ハレンに田中が加われば、最強ローテーションが完成する。田中としても重圧の少ないポジションで投げられることは大きい。さらに、温暖で安定した気候は活躍のためにプラス材料だ。

 ロサンゼルスには日本人が多く、球団としては経済的な効果も見込める。柳賢振が先発するときには、巨大なコミュニティーのある韓国人ファンが大挙して駆け付けているだけに、日本人ファンも球場に集めたいと考えるのは、当然だろう。実際に、田中には絶大な集客力があるはずだ。

【3】エンゼルス

 先発投手の補強は急務となっている。ジェレッド・ウィーバー、C・J・ウィルソン以外は計算できず、高齢化も指摘されている。25歳の田中には5~6年の長期契約が予想されているが、その間はエースを任せることが出来るため、喉から手が出るほど欲しい存在だ。

 また、こちらも地元テレビ局と17年総額25億ドル(約2625億円)の放映権契約を結んでおり、資金は潤沢。2011年オフにはカージナルスからアルバート・プホルス、昨オフにはレンジャーズからジョシュ・ハミルトンとFAのスター選手を大型契約で獲得した。しかし、今オフは控えめな補強しかしておらず、補強のための予算は有り余っているようだ。

 一部報道では、田中獲得に1億ドル(約105億)を用意するカブスを遙かに上回る条件を提示している球団があるとされているが、それはエンゼルスだとの見方が強い。ジェリー・ディポトGMは田中へのコメントを避けるなど、これまで煙幕を張っていたが、本気度はかなりのものだ。

 元々、打線には迫力あるメンバーが揃う。マイク・トラウトの活躍は確実に計算できるため、プホルス、ハミルトンが本来の力を発揮すれば、得点力は飛躍的に上がるはずだ。チームとして機能さえすれば、優勝は決して遠くない。ロサンゼルス近郊のアナハイムに本拠地を置くだけに、ドジャースと同じように気候や住環境はよく、日本人も多い。田中獲得のメリットは多いと言えるだろう。

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