米メディアがマー君争奪戦における勝者と敗者を特集
田中を獲得できなかった球団の評価は
【敗者】
●カブス
カブスは、田中がチーム再建プロジェクトにおけるピッチャー陣の大事な中核となることを願っていたという。そして、田中獲得こそがエース格のジェフ・サマージャ投手との長期契約更新を促すとも期待していた。記事では、下部組織には逸材が揃っているとしつつ、現状の酷い先発ローテーションの陣容では、サマージャに契約更新を納得させることはできないかもしれないと予想している。
●ドジャース
もう1人の先発投手を獲得できなかったドジャースだが、ダン・ヘイレンとジョシュ・ベケットが先発ローテーションの4番手と5番手に据えて開幕に臨むということは決して悪いことではないと同紙は分析。特にヘレンは前半戦の4勝10敗、防御率5.61から後半戦の6勝4敗で防御率3.52と巻き返したことは好材料だとしている。だが、ベケットが胸郭出口症候群の手術から復帰途中なだけに、クエスチョンマークが残るとも。
●Dバックス
アリゾナは若いピッチャーの宝庫であり、マーク・トランボ外野手をエンゼルス、ホワイトソックスとの三角トレードで獲得する際に有望な若手左腕タイラー・スカッグスを放出したことからもそれは顕著であると分析。だが、Dバックスは即戦力のエース格を必要とし、田中はその役目を担うに相応しい人材だったとしている。
●ホワイトソックス
同じシカゴを本拠地とするカブス同様に、低迷の続くホワイトソックスにはチームを活気づかせる大物FA選手の獲得が必要だったという。キューバ出身の強打者、ホセ・アブレウの補強はチーム再建の一歩目だったが、そのアブレウよりもスター性のある田中を獲得できれば、より大きなインパクトを与えることができたとしている。また、クリス・セール投手以外の先発ローテーションの顔ぶれにファンを熱狂させる存在はいないとも分析。
●エンゼルス
4年連続となるプレーオフ進出失敗に加え、ドジャースとの本拠地ロサンゼルスでの主導権争いでの劣勢から巻き返すべく、昨季リーグ11位だった防御率4.23の先発投手陣の補強をストーブリーグでのプライオリティにしていたという。タイラー・スカッグスとヘクター・サンティアゴのダブル左腕を先発陣に加えたが、田中を獲得できれば、より大きな勢いがついていたとしている。
このリストには入っていないが、メジャー投手史上5番目の高額年俸を手にした田中本人も当然、現段階では勝者に入るだろう。だが、今後の出来によってはその評価が一変してしまう可能性も秘めている。ヤンキースという重圧のかかる球団で、この高額な条件に見合うだけの活躍ができるかどうか。これから本当の勝負が始まる。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count