ヤンキースの空き番号から、マー君の“新背番号”を占う 

「18番」と決別する田中将大

 一方で、19番も日本人投手にとっては馴染みやすいナンバー。上原浩治をはじめとした好投手に多く、形も18番に似ている。選手は意外と全体のバランスを気にするものなのだ。田中の恩師である野村克也監督の番号としても有名で、なかなか粋な選択となるが、どうだろうか。

 20番の可能性も捨てきれない。昨オフ、インディアンスとマイナー契約を結んだ松坂大輔は、西武、レッドソックスとプロ入り後に14年間、背負ってきた18番が永久欠番だったため、20番を再出発の番号として選んでいる。また、楽天で21番を付けていた岩隈久志が、第2回WBCでMVP級の活躍を見せた時は、この20番を背負っていた。投手としては、選択肢の1つに入ってくる番号のようだ。

 このほか、田中が塗り替えるまで「シーズン20連勝」の日本記録保持者だった“神様”稲尾和久の番号である「24」(※西武では永久欠番)も面白い選択と言える。昨年の24連勝にちなんだ数字にもなる。米メディアでもしきりに取り上げられていた「24勝無敗」の数字は、ヤンキースファンにも強烈な印象として残っているはずで、田中の“代名詞”として受け入れられるかもしれない。

 ちなみに、大穴は55番か。そう、松井秀喜が付けていた番号だ。昨年はライル・オーバーベイがいたが、今オフにFAとなり、ブルワーズに移籍した。現在は空き番号となっている。日本人ファンにとっては感慨深い選択となるが、さすがに田中が恐れ多いと考えるだろうか。ちなみに、日本では松井のイメージもあって野手が付ける印象が強いかもしれないが、メジャーではジャイアンツのティム・リンスカムなど、意外に投手でも背負うことが多い。

 いずれにしても、メジャーでの第一歩を踏み出す右腕が、18番と決別することは間違いない。新たなスタートにふさわしいナンバーとして、何を選ぶのか。背番号は選手のもう1つの「顔」となるだけに、名門ヤンキースを移籍先に決めた田中の2度目の決断にも注目せずにいられない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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