米全国紙が今オフの“勝ち組”トップ5にマー君を選定

バブル状態のMLBは超大型契約が林立

 ヤンキース入団が決まった田中将大投手(25)の大型契約は、米国内に与えた衝撃も大きかった。7年1億5500万ドル(約158億円)という額は、新人としてはやはり破格だ。ただ、テレビ局との放映権契約で“バブル”状態となっているメジャーでは、今オフ、他にも超大型契約がいくつも結ばれた。米全国紙USAトゥデーは、その中でもトップ5の勝者を選定。田中とともに大物選手の名前が並んだ。

■クレイトン・カーショー(ドジャース)

 メジャー史上初となる年平均3000万ドル(約31億円)越えを果たした左腕の名前が真っ先に挙げられた。昨季、25歳にして自身2度目のサイ・ヤング賞に輝いた左腕は、3年連続で防御率1位と安定感抜群。ドジャースと7年2億1500万ドル(約219億円)で契約を延長した。契約の中には5年後に自らの希望でFAとなれる権利も含まれている。

■田中将大

 日本で24勝無敗、防御率1・27の快記録を残した右腕を競り落としたのはヤンキースだった。まだ米国では1球も投げていないだけに、メジャーでエースになれる保証はないと同紙は指摘。常時90マイル(約145キロ)を超える直球と破壊的なスプリットで打者を打ち取るが、投球は圧倒的ではないとされている。ただ、今オフの市場では最高のスターターだったことは間違いなく、ヤンキース投手陣の中では年平均でCC・サバシアの2440万ドル(約24億9000万円)に次ぐ約2200万ドル(約22億4000万円)をゲット。4年後には契約を破棄できるオプトアウトの権利が含まれた「甘い契約」だと表現されている。

■ロビンソン・カノ(マリナーズ)

 ヤンキースからFAとなったスター選手は、10年2億4000万ドル(約245億円)というメジャー史上3位の大型契約でマリナーズに移籍した。ただ、このランキングのトップにはならない。カノはヤンキースでの9年間で7度のポストシーズン進出を果たしたが、マリナーズは2001年を最後に遠ざかっている。ヤンキースのオファーは7年1億7500万ドル(約178億6000万円)だったとされており、プレーオフ進出の価値は6500万ドル(約66億3000万円)では埋められないという。

■ジャコビー・エルズベリー(ヤンキース)

 メジャートップクラスのリードオフマンであることに疑いの余地はない。昨季は負傷で28試合の欠場があったにも拘わらず、リーグトップの52盗塁、同2位の92得点を記録した。もっとも、負傷が多いのは心配の種で、7年1億5300万ドル(約156億円)の価値があるかは微妙なところだ。2011年には32本塁打、105打点でMVP投票の2位に入ったが、現在30歳のエルズベリーがこのような活躍をすることはないだろうとされている。

■フレディー・フリーマン(ブレーブス)

 カーショーと同様にまだFAではないが、ブレーブスと8年1億3500万ドル(約138億円)で契約を延長した。24歳の強打の一塁手は昨季、キャリアハイとなる109打点、OPS(出塁率+長打率).897を記録。ナ・リーグのMVP投票で5位に入った。ブレーブスは、2012年限りで引退したチッパー・ジョーンズの後釜として、フリーマンをフランチャイズ・プレーヤーにしたい考えだという。実は、フリーマンは先週、アトランタが雪に見舞われた際に車中で立ち往生し、雪上車に乗ったジョーンズに救出されている。大先輩に感謝する必要があるだろう。

 これらのメジャー屈指のスター選手たちと比べても、田中の契約がいかに凄いものであったかが分かる。その分、右腕にのしかかる重圧も大きくなるだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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