サバシアは降格? マー君はヤンキースの絶対的エースになれるか?

“絶対的エース”ではなくなったサバシア

 ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、もはやCC・サバシアを絶対的エースとは見ていないようだ。米紙ニューヨーク・ポストの取材に対して、現時点でヤンキースの1番手あることは認めたものの、球界を代表する投手たちのカテゴリーに入っているかどうかについては明言を避けた。新加入の田中将大にかかる期待は、ますます大きくなっている。

 キャッシュマンGMは、“球界のエース”と呼ばれる投手は一握りであると指摘。その上で、サバシアがそのカテゴリーに入っているかを聞かれると、答えることが出来なかった。「CCはうちのピッチングスタッフのリーダーだ。しかし、昨年の出来では、(ドジャースの)クレイトン・カーショーのカテゴリーに入ると考えられるかは分からない」。曖昧な表現ではあるが、数年前のような絶対的エースと呼べる存在ではないこと認めている。

 左腕は昨季、14勝13敗、防御率4・78と苦しんだ。オフに入ってからは厳しいトレーニングを行い、体は絞れているように見える。ただ、まだ先発ローテーションの中で最高のピッチャーであるということを証明しなくてはならないと同紙は指摘する。ヤンキースは先月、田中と7年1億5500万ドル(約159億円)で契約し、近いうちにローテーションのトップが変わる可能性があるからだ。

 キャッシュマンGMは田中について、マリアノ・リベラの後継者として期待されるデビッド・ロバートソンと同じように考えているという。「どんなときでも、誰かが現れ、その投球内容でNO1の座を奪うのは素晴らしいことだ。ただ、それを私が選ぶつもりはない。同じ理由で、私はロバートソンがクローザーに近いと言ったことはない。彼はそれ(クローザー)をこれから掴むんだ」。つまり、とにかく実力で自分のポジションをつかみ取れということだろう。

「田中はメジャーに来させて、パフォーマンスさせれば、実力を発揮するだろう。ただ、私は大型契約の影響も考えなければいけない。人々は物事が起こる前に何かを求めるものなんだ」

 契約が大きいばかりに、田中が渡米する前から過熱する周囲にくぎを刺すかのように、キャッシュマンGMは言った。ただ、その言葉からは、将来の絶対的エース候補として田中に期待していることが強く伝わってくる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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