人的補償で広島に移籍した一岡竜司が“大竹効果”で快投

素晴らしい投球を見せた一岡

 昨年末、巨人へFA移籍した大竹寛投手の人的補償で広島に加入した一岡竜司投手(23)。今月9日にキャンプで初めての実戦となる紅白戦に登板した。最速145キロの直球などで2回無安打無失点。なんと5奪三振と素晴らしい投球内容だった。

 昨年、ブレークした菊池涼介、丸佳浩を連続三振に斬って波に乗ると、エルドレッドも見逃し三振。6回は味方失策で無死2塁とされたが、2三振で切り抜けた。「この時期なので、三振がどうとかはあまり考えません」。意識せずに三振を奪えてしまうところは今季のカープに強い武器になるだろう。

 藤川球児(カブス)のように浮き上がる直球、火の玉ストレートが目標。2011年に広島でもプレーし、翌12年から巨人の2軍投手コーチを務めている豊田清氏から伝家の宝刀・フォークを教わり、ものにした。そして、豊田コーチから伝授されたものは、これだけではなかった。

 昨年末、豊田コーチ主催の食事会に参加したという一岡。同じ席には自分と入れ替わりになった大竹の姿があった。大竹からすれば、自分の代わりに巨人を出ていくことになった選手であり、気まずい空気感になると思いきや、一岡は「チャンスをいただけてうれしいです」と感謝の言葉で切り出したという。大竹は「困ったことがあればいつでも言ってくれ」と話した。そんな2人には、もうわだかまりはなくなった。
 
 突然の移籍にも、一岡は吹っ切れているどころから、大きなチャンスだと前向きにとらえているからこそ、結果が出る。くすぶってなんかはいない。オープン戦どころか、まだ紅白戦だろうという声も聞こえてきそうだが、気持ちの強い一岡ならば、広島ファンの大きな期待に応えてくれるに違いない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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