マー君を覚醒させたダルビッシュのレッスン 超一流同士だから分かり合えたアドバイスとは?

ダルビッシュが田中将大に与えたアドバイス

 レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)とヤンキースの田中将大投手(25)が師弟関係で結ばれていることは有名な話だ。ダルビッシュは2歳下の後輩をかわいがり、鳴り物入りでヤンキース入りした田中は圧倒的な実力を誇る先輩に一目置いている。昨年、楽天で24勝無敗、防御率1・27という驚異的な成績を残した田中に最初に覚醒のキッカケを与えたのもダルビッシュだった。

 田中が楽天入団3年目だった2009年の話だ。侍ジャパンの一員として日本の連覇に貢献した田中は、開幕7連勝とシーズンでも最高のスタートを切った。特に、開幕から4試合はすべて完投勝利と16年ぶりの快挙を達成。この頃、WBCでエースに君臨し、田中と行動を共にすることが多かったダルビッシュがブログを更新。当時、侍ジャパンで「まさお」の愛称で可愛がられていた田中と日本ハム―楽天の試合後に食事したことを綴り、WBCの期間中にストレートの投げ分けを伝授していたことを明かした。

 ブログでは、「企業秘密」として投げ方の詳細までは説明していないが、ボールの握りや体の使い方を変えないまま、ボールのキレ自体に変化を与えることができるとしている。その前年まで田中の投球に力みを感じていたというダルビッシュは、後輩のためにその秘訣を惜しげもなく披露したのだった。そしてダルビッシュはブログにこう記している。

でも僕自身かなりびっくりしていて、正直身につける事は出来ないと思ってたから(笑) だから今まさお自身も「こんなに簡単に真っ直ぐでファールや空振りを取れるんや」と思っているはず。もうそう思い出したら、まさおの得意の変化球がさらに生きますよね(^^) でも僕的にはまさおは精神的に一番成長したんじゃないかな?と思います』(ダルビッシュ有のブログ「THOUGHT OF YOU」2009年4月30日付の文章を引用)

 この年、田中は15勝6敗、防御率2・33と好成績を残し、楽天初のクライマックスシリーズ進出に貢献。前年は右肩の故障もあり、2ケタに届かず9勝7敗、防御率3・49と「2年目のジンクス」に苦しんだ右腕を、ダルビッシュのアドバイスが救った。楽天は前年に21勝を挙げたエースの岩隈久志がやや調子を落としてだけに、田中は実質的なエースとしてチームを牽引した。

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