ダルビッシュが上々の滑り出し 今季初のオープン戦で2回4奪三振

今年は打線が僕を支えてくれると分かっている

 レンジャーズのダルビッシュ有投手が27日、オープン戦のロイヤルズ戦で先発した。今季初登板で、相手の先頭打者、青木宣親外野手を含む、圧巻の4奪三振で無失点。サイ・ヤング賞獲りに向けて、上々の滑り出しを見せた。ESPNが報じた。

 ダルビッシュは2回終了時にマウンドを降りるまで29球投げた。被安打2だったが、抜群の制球力とスライダーの切れ味で、今季の開幕投手を担うのに相応しい圧巻のパフォーマンスだった。

 だが、ダルビッシュの好投はあくまで想定内。ESPNは見出しで「シャープなダルビッシュは味方打線の援護を受ける」と報じた。地元メディアにとってこの日のテーマは、味方打線がしっかりとした援護をできるか、の一点だったようだ。

「今年は打線が僕を支えてくれると分かっている。でも、スプリングキャンプの1試合に過ぎないので。相手のピッチャーもまだ調整段階なので、あまりそこは考えていない。開幕前で自分がいかに準備するかしか考えていない」

 29球を投げ終えたダルビッシュは通訳を介して、こう語ったという。

 昨年レンジャーズ打線は獅子奮迅のピッチングを続けるダルビッシュを見殺しにする試合が多かった。昨年先発32試合中18試合で2点差以内で勝負が決まったが、その内訳は3勝6敗で残り9試合は勝敗つかず。18戦におけるダルビッシュの防御率は2・53で、相手打線は打率1割7分9厘。相手を抑え込んでいるが、この18試合で味方打線は沈黙した。18試合の平均得点は2・3点。平均打率は2割8厘。得点圏打率は1割6分5厘と低調な出来だった。

 だが、この日は今オフ、タイガースからトレードで加入した強打者プリンス・フィルダーの強烈なホームランなどで2点のリードのままマウンドをおりた。試合は11対7でレンジャーズが勝利している。

「野球では先制点を取れば、自分たちが有利になる。でも、バッターにプレッシャーをかけるつもりはない。自分のピッチングをして、ベストを尽くしたい」

 ダルビッシュはそう話したという。

 この日は今季の課題を意識した。昨年57%だった初球ストライク率の改善だ。ア・リーグで規定投球回数に到達した投手で、ダルビッシュより数値が低かった投手はわずか10人しかいなかった。だが、この日は29球のうち、23球がストライク。「そこはうまくいったと思う。明日のピッチャー陣のミーティングが楽しみ。(投手コーチのマイク)マダックスがほめてくれると思う」と満足そうだ。

 ダルビッシュはメジャー3年目で最高の滑り出しだという。理由は「リラックスできているから」。さらにダルビッシュは「ブルペン、フリーバッティング、紅白戦と投げてきたけど、実際の公式戦のようなアドレナリンは湧いてこない。とにかく、今日は自分のピッチングをして、ストライクを投げることに徹した。レギュラーシーズンの試合と同じルーティンで投げることができた」と話したという。

 今年も快刀乱麻の活躍を期待できそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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