ダルビッシュ有が「マダックス」化? 米メディアも日本人右腕の球数減少に注目

球数の少なさが注目されている今季のダルビッシュ

 レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が10日のレッズ戦で5回を5安打2失点と快投した。日米の報道で話題となっているのは、その球数の少なさ。打たせて取る投球を意識したという右腕は、5回をわずか63球で投げきっている。昨年までとは違うスタイルでの投球に、地元紙のダラス・モーニング・ニュースは「ダルビッシュがグレッグ・マダックスに変身中?」と大きく取り上げている。

 昨年は1イニングあたりの平均投球数が16・5球だったダルビッシュだが、レッズ戦では「真っすぐ系をどんどん投げて、打ってくださいという感じだった」と話す。同紙は、「違いは三振を追求しなかったことだ」と言及。三振を取れる場面でも打たせて取る投球に徹し、わずかに1奪三振。昨年はメジャー断トツ1位の277Kを奪ったが、その結果として球数が増え、早いイニングで交代することも多かった。明らかに昨年とは違うスタイルを試している。

 同紙は「ツーシーム、カットボールを多投していた」と指摘。本来、主体としている直球とスライダーは少なかった。レンジャーズはダルビッシュに対して、速球の制球力の重要性を強調してきたという。マイク・マダックス投手コーチとレンジャーズのGM特別補佐を務める弟のグレッグ・マダックスが、そのスタイルを支持しているというのだ。

 グレッグ・マダックスといえば、現役時代に抜群の制球力で「精密機械」の異名をとった名投手。今年1月には野球殿堂入りも果たしている。ツーシームを中心に、ほとんどのすべての球種を打者の手元で動かし、打たせて取るスタイルでメジャーの打者を翻弄した。メジャー通算23年間で200投球回を記録したのが18度と、その安定感は群を抜いていた。

 すでに三振を量産できることは誰もが知っている。今キャンプでダルビッシュがグレッグ・マダックスのような投球スタイルも身につけることができれば、鬼に金棒だ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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