米紙の名物コラムニストが持論を展開「イチローに移籍のススメ」

他のチームなら多くのプレー時間を望める

 40歳を過ぎたイチローは昨年のOPS(出塁率と長打率を合算した指標)では規定打席に達した打者140人中136番目という.639という厳しい数字で、外野手では最悪だったという。また、13日のフィリーズ戦でイチローは3打席凡退に終わり、オープン戦での成績は21打席3安打(1割4分3厘)で二塁打や盗塁もまだない。

 シャーマン記者は全盛期ほどではないにしろ安打を打ち、守備能力が高く、走塁も素晴らしいというイチローの要素から、フィリーズ、ダイヤモンドバックス、ブルワーズなら多くのプレー時間を望めると分析している。

 また、ヤンキースはイチローを放出することで、650万ドルの今季年俸を節約し、ロースターに流動性を保ちたいと思っていると、シャーマン記者は指摘する。ロースターの内訳はピッチャー12人と先発打者9人に加え、ベンチは4人。1人は捕手の控え、もう1人は背中の負傷の回復次第でブレンダン・ライアン遊撃手、そしてエドゥアルド・ヌネス三塁手も濃厚だ。空席は残り1つ。イチローが残留すれば、このスポットを手にすることができるという。

 しかしながら、正三塁手のケリー・ジョンソンと、ヌネスも外野手を兼任できる。マイナーからジリオ・アルモンテ外野手も昇格する可能性もある。イチローがロースターにいなければ、手薄な内野陣にマイナーから若手を昇格させることができるともつづっている。

 最後に、シャーマン記者は名手の残酷な現状をこう締めくくっている。「今のところ、イチローはヤンキースにいる。球界で最も有名な選手の1人は視界から消えようとしている」と。

 天才のプライドと意地にかけて、かつての圧倒的な安打量産を再び取り戻し、現在の苦境と名物コラムニストの酷評をはねのけることを期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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