39歳でも衰えることのない驚異の向上心 黒田博樹が習得を目指す“新球種”

「使うのは左打者に対して。特にヤンキースタジアムなので」

 実は、カットボールは元々、投げていたボールだ。「3年前、4年前が1番よかったんじゃないですかね」と本人は言う。ただ、ここ2年間はほとんど投げていない。

「安定しなかったのが一番です。投手である以上、毎年毎年、若干フォームも変わってきますし、年齢によって体力的な部分でも、筋力的な部分でもフォームが若干変わってくる部分がある。そこで過去に投げていたボールが投げられないということも当然あることだと思います。それを追いかけすぎると、ほかのボールに支障が出たり、自分の投球スタイルを崩してしまったりするので、捨てないといけないときだった。それを自分で判断して使わなかった」

 つまり、1度は投げられなくなってしまったボールなのだ。ただ、それを再び習得しようとする姿勢に、黒田という投手の強さが見える。

 今の自分に必要だと考えたら、貪欲に追求する。年齢に関係なく、進化を求める。今年でヤンキース3年目。右翼から右中間が狭く、左打者有利とされるヤンキースタジアムにおいて、直球と同じようなスピード、軌道から内角に食い込んでいくカットボールは、確かに鍵となる球種だ。キャンプに入ってから1ヶ月間、大きなテーマとして取り組んでいる。

「(使うのは)やっぱり左(に対して)ですね。特にヤンキースタジアムなので、左が1番重要になってくる。ここ2年間ずっとそう感じていましたし、特にそういうボールが必要じゃないかなと思います。外だけだとどうしてもミートされて、というのがあるので、幅広くと、あとバッターの居心地を良くさせないためにも、ですね」

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