田中将大、黒田博樹の勝ち星が消える? ヤンキースのブルペンに潜む危うさ

若い投手が多いだけに大化けする可能性も秘めている

 では、先発投手の球数がかさみ、長いイニングを投げられずにマウンドを降りた場合、セットアッパーまでつなぐ役割は誰がこなすのか。

 残り2枠は、混沌としている。ピネダとフェルプスの調子がいいため、先発候補の右腕アダム・ウォーレン(26)、左腕ビダル・ヌノ(26)は開幕マイナーが濃厚。となると、有望株のデリン・ベタンセス(25)、マイナー契約で招待選手としてキャンプに参加中で、ともにサイド右腕の建山義紀(38)、マット・ダレイ(31)、そしてソーントン1枚だけという左腕不足を補うセザール・カブラル(25)あたりの争いか。

 建山はオープン戦5試合で防御率0・00と好投を続け、同じタイプのダレイも7試合無失点と好調だ。日米を含めて豊富な経験を誇るベテランの建山が開幕メジャーを勝ち取れば、チームにとって大きな力となるはずだ。ただ、現時点ではメジャー40人枠に入っているベタンセスが防御率0・93、カブラルが0・00と結果を残しており、開幕メンバー入りに最も近い位置にいる。

 いずれにせよ、今季のヤンキースのブルペンは経験値が極めて低い投手陣で形成されることは間違いない。9回までつなげば必ず試合を締めてくれるという安心感をチームにもたらしていたリベラがいないことも、ブルペンをさらに不安定にするだろう。

 若いだけに、逆に大化けする可能性も、もちろん秘めている。仮にブルペンで落とす試合が多くなった場合、金満球団がシーズン中に補強に動くことも考えられるだろう。ただ、黒田と田中としては、やはり長いイニングを投げられるに越したことはなさそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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