【山本一郎コラム】今年のヤクルトはオープン戦ではちっとも勝てません

一軍の信号機は土橋勝征であるべき

 やはり、一軍の信号機は土橋勝征であるべきなんじゃないでしょうか。

 そもそも命題として、メガネ系野球選手というのは重要なファクターであります。かつてのホークスには吉永幸一郎、湯上谷宏という偉大なメガネがナインにおり、阪神では宮内仁一のゴーグルを巡って激論が交わされていましたが、ヤクルトにおいてはチームリーダー古田派と、いぶし銀の代表格であった土橋派に分かれて論戦が繰り広げられておりました。

 私としては、明確に土橋派でしたので、仮に規定打席最下位の打率であったとしても土橋の土橋らしいソツのないプレイが観れればそれで満足だったんですけどね。古田みたいに、チートのような凄い打棒で荒らし回る野球も好きではありますが、チームとして勝つにはどうしたらよいかみたいな話になったときに必ず話題に上る土橋の貧相なメガネが好きだったわけじゃないですか。

 そんなメガネ党の熱い支持を受けてきた土橋が、2000年ごろレーシックの手術を受けてメガネを外したときに湧き上がる「裏切り者」という怒りは、比較的大人しいと言われるスワローズファンの中でも頂点に達し、神宮に抗議のメガネが殺到したと言われます。

 まあ、少ない戦力、ただでさえ多い故障の中でやりくりしている小川監督は名将のうちだと思うんですが、このヤクルトというチームのベンチから醸し出される、そこはかとないお友達感があるじゃないですか。最近だと伊勢コーチだったり、野口残留だったり。

 いや、優れた選手をかわいがるのはいいことだと思うんですよ。野口もあの身体能力考えたら何かしてくれそうだという面もあるし。遅咲きの名選手となった佐藤真一コーチを模してるのかもしれません。ただ、身体能力に過剰な期待をするというのは危険なんです。私たちは見てるはずなんですよ、あの2009年10月19日のクライマックスシリーズ3戦目、ステージ突破をかけて闘った対中日戦の惨事というものを。

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