本拠地デビューを控えるヤンキース田中将大への期待が沸騰寸前 地元メディアも「ヒーローがホームにやってくる」と報道

「田中は完璧主義者」

 9日(日本時間10日午前8時5分開始予定)のオリオールズ戦で本拠地デビューを果たすヤンキース・田中将大投手の期待値が沸騰寸前まで高まっている。地元紙ニューヨーク・ポストは「ヒーローがホームにやってくる。田中が本拠地デビュー」との見出しで特集記事を掲載した。マサヒロのヒロをヒーロー(英雄)にかけた格好だ。

 田中は8日、先発ローテーション3番手のイバン・ノバ投手がオリオールズ打線につかまり、4回7失点と炎上する惨状を見守った。ヤンキースは後続の投手も打ち込まれて5-14で大敗を喫した。

 記事では「この苦境を覆すために、ヤンキースは高額で、絶対的な実績を誇る日本からの輸入選手の本拠地初登板にすべてをかける」と大きな期待を寄せている。

「勝利。それが僕の予想だ。なぜなら彼はヤンキースの選手。僕たちは日々、勝利のためにプレーしている。それがヤンキースのメンタリティだ。僕たちは(大敗から)切り替える。彼は偉大なピッチャーだから大丈夫だと思う」

 前日のオリオールズ戦で15歳以来となる一塁手にコンバートされたフランシスコ・セルベリ捕手はこう語り、田中の勝利を確信している。

 田中は4日のブルージェイズ戦で「堅実なデビュー」を果たした。7回3失点でメジャー初先発初勝利を手にした。メジャー初戦で7回以上投げた投手で8奪三振、無四球というケースは1900年以来、わずか7人目だったという。先頭打者のメルキー・カブレラにいきなりホームランを打たれ、2回にも2失点を喫したが、3回以降は立ち直り、堂々たるピッチングを披露した。

「前回のピッチングでどこが悪かったのか分かっている。修正をして、次の試合に臨むつもり。個人的にはどんなボールを投げるかはフォームの問題なので、修正点は分かっている」

 田中自身も同紙に対し、通訳を介してこう語っている。

 記事では「田中は明らかにピッチングにおける完璧主義者だ」と賞賛している。この完璧主義者という形容詞に正捕手のブライアン・マッキャンも同調する。

「(完璧主義者であることは)間違いない。ブルージェイズ戦ではすごくいいピッチングをしたと思う。メルキーに投げたスプリットがすっぽ抜けて打たれたけれど、そこからスプリットはだいぶ決まっていた。そこが田中の田中たるゆえんだと思う。だから、彼はこれまで成功してきたんだ。彼は完璧主義者。完璧であることを望もうとするんだと思う」

 地元紙も、チームメートも、女房役も待ち望むゴールデンルーキーのヤンキースタジアムデビュー。注目の一戦の幕開けまであとわずか。快刀乱麻のピッチングを期待したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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