メジャーの反則投球は“公然の秘密”か? 疑惑浮上のヤンキース投手を相手チームの主砲も非難せず

オルティズ「みんな松ヤニを使ってる」

 ピネダ自身は「松ヤニは使っていない」と疑惑を否定しているというが、ジョー・ジラルディ監督は試合後、メジャーの現実をこう表現している。

「私は自分のキャリアで誰にも(松ヤニを使っているのかと)聞いたことはない。ただ、私はそれに気付いていた。50年前、80年前にさかのぼるような問題だ。私はピッチャーに使ったどうか、聞いたりしない。これは気晴らしのドラッグではない。この件については話したくない。気付いているけどね。色々なチームで(反則投球を)見たこともある。他のチームの選手も使っていると99%確信できる。だが、話したくない」

 また、ニューアーク・スターレジャー電子版紙は「ピネダが松ヤニを使っていたとしても、オルティズとペドロイアは気にしない」との見出しで報道している。

 レッドソックスの主砲デビッド・オルティズは同紙の取材にこうコメントしている。

「このリーグではみんな松ヤニを使っている。大した問題ではない。私は(ピネダの松ヤニを)まったく気にしていなかった。大量の松ヤニを持っていたのか? 見ていない。松ヤニが野球にどんな影響を与えるのか分からない。もしかすると、グリップが良くなるのかもしれない。そうなれば、気をつけなければいけないね。でも、彼(ピネダ)の速球のスピードとスライダーは今夜すごく良かった。彼のピッチングは素晴らしかった」

 ピッチャーの投球時の松ヤニなどの使用はメジャーリーグのルールで禁じられている。だが、それらの使用がメジャーの一部で常習化している現実を、ジラルディ監督とオルティズは明らかにしてしまっているのかもしれない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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