【山本一郎コラム】秋の気配を感じさせているヤクルトスワローズ

末脚期待の万馬券を目指して応援してまいりたい

 このように試合を観ては嘆き、データを読んでは文句しか出ないヤクルトでありますが、これはもう采配がどうという以前の問題じゃないかと思うんですよね。薄い選手層を遣り繰りという感じですらなく、崩壊とか壊滅といった単語がしっくりくるわけですよ。

 故障を減らせ! といっても、試合中のどうしようもない怪我も多いため、これはもうお祓いが必要な状態です。コンディショニングをちょっと良くしたところでどうしようもないんじゃないかと思うんですよね。ある種、チーム全体が緩んでいるわけじゃないんでしょうけれども、気持ちが行き届いていないところがあるのではないでしょうか。データを駆使した野球をしようという状態ですらないのかも知れず。

 この駄目なところを挙げればきりがない感じのスワローズですが、去年であれば「故障者が帰ってさえくれば上位に」という期待さえも抱けない今季の辛さがここにあります。小川が帰ってきたら中五日で毎試合完投勝利してくれてようやく2カードで2勝4敗レベルの期待値という味気なさ。よほど頑張らなければなりません。

 それでも、下にはまだベイスがいる! 中畑ベイスターズと共にクライマックスシリーズへ向けて這い上がっていくんだ! という末脚期待の万馬券を目指して応援してまいりたいと思うわけですよ。なんてったって、去年あれだけドベカス同盟でご一緒していたカープが首位なんですからね。歯車一個狂えば奴らだって最下位の可能性はきっとあると信じて、力強く応援していきたいと思います。

【了】

山本一郎●文 text by Ichiro Yamamoto

ブロガー・投資家・イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。1973年、東京都生まれ。
著書に「ネットビジネスの終わり (Voice select)」、「情報革命バブルの崩壊 (文春新書)」など多数。

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