ロッテ・荻野貴司がプロ野球史上8人目 先頭打者ランニングホームランの“レア度”を振り返る

積極性が生んだ珍しい記録

 では、先頭打者のランニングホームランはあったのだろか。

 プロでは今回の荻野が14年ぶりだったが、甲子園では昨年の夏にあった。昨年の西武ドラフト1位の森友哉選手のいた大阪桐蔭高校対明徳義塾高校(高知)の2回戦。大阪桐蔭高校の1番打者、峯本匠選手(当時2年)が初回の表に、左中間へ打球を放った。深々と破り、快足を飛ばして、スライディングもせずにホームインした。

 このときも「非常に珍しいケース」と言われていた。試合は幸先良く先取点を奪ったが、1-5で敗れた。一昨年の夏の藤浪晋太郎(阪神)がエースだったチームに続いて夏制覇を狙っていたが、その夢が途絶えた試合でもあった。

 世代や舞台は違うが、荻野も、峯本も、非常にレアな先頭打者ランニングホームランを放ち、記録にも記憶にも残るプレーとなった。また日本のプロ野球に限った先頭打者通算本塁打記録は福本豊氏(阪急)の43本。シーズン記録は2007年に9本を放った高橋由伸選手(巨人)。2人ともランニングホームランは入っていない。

 この数字を見ても、先頭打者ランニング本塁打、それも初球というのは、積極性が生んだ珍しい記録なのである。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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