昨季の世界一球団に一体何が? 上原&田澤らの活躍で連敗を「10」で止めたレッドソックスの巻き返しはなるか

連敗中は主力打者の不調が深刻だった

 レッドソックスが長いトンネルを抜けた。26日(日本時間27日)のブレーブス戦に勝利し、15日のツインズ戦から続いていた連敗は10でストップ。デビッド・オルティス内野手が4打点を挙げ、7回には田澤純一投手が無安打1奪三振と快投すると、9回は上原浩治投手がわずか8球で締めて10セーブ目をマーク。久しぶりに昨年の世界一球団らしい勝ち方で白星を飾った。

 実は、この試合に負けて11連敗となれば、2つの不名誉な記録に並んでしまうところだった。1994年以来となる球団ワースト連敗記録。そして、1998年のマーリンズ以来となる前年のワールドシリーズ覇者の連敗記録だ。まさにギリギリで踏ん張ったと言えるだろう。

 メジャー屈指の伝統球団に、いったい何が起きていたのか。

 昨年は爆発力のある打線が世界一の原動力となったが、今年は低調だ。それは数字を見れば明らか。10連敗を喫した25日のレイズ戦まで、チーム打率2割4分、190得点はア・リーグ15球団中で13位。出塁率と長打率の合計で出されるOPS.693も同11位となっていた。

 投手陣の状態も悪かった。先発投手の平均防御率4・45はリーグ11位で14勝19敗と負け越し。さらに、左腕アンドリュー・ミラー投手は10連敗中に3度もサヨナラ負けの敗戦投手となるなど、接戦で救援陣も踏ん張りきれなかった。

 10連敗中の数字を切り取ると、特に主力打者の不調が深刻だったことが分かる。オルティスは34打数4安打で打点0とさっぱり。「チーム全体が病気にかかっているようだ」とこぼすこともあった。ダスティン・ペドロイア内野手も41打数8安打の打率1割9分5厘と低迷し、4番を打つことの多かったマイク・ナポリ内野手が故障者リスト(DL)入りしたことで、打線に「軸」がない状態だった。

 また、10連敗の間に守護神の上原浩治が登板したのは3度。17日タイガース戦、21日のブルージェイズ戦はリードを許した状況で、24日のレイズ戦も同点の場面での登板と、最強クローザーが本来の役割を果たすチャンスすらやってこなかった。セットアッパーの田澤純一も6度の登板で1失点と奮闘したが、どうしても勝利につながらなかった。

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