田中将大が不敗の間に培ってきた貴重な財産

どんなときでも一番大事なのはコンディション

 ただ、本人はこうも話している。

「僕は連敗しないためにやっているわけではない。後ろ向きな考え方はしない。内容が良くても、チームが勝てなければ意味がない。内容を求めるのは練習であったり、シーズン前のことです」

 結局、田中自身の中では連勝、連敗は関係なかった。その結果によって自分がぶれることはなかったのである。

「どんなときでも一番大事なのはコンディション。そこが整ってなければ、自分の技術も最大限に出せない。基本的なことですけど、自分の体としっかりと会話をしていくことが大事。あとはよく寝ること。僕は6時間ぐらい寝れば大丈夫」

 負ければ連敗となっていたホワイトソックス戦では、本調子ではなくても相手を寄せつけない投球で7回途中まで1失点で抑えた。カブス戦では制球に苦しんだが、この日はこれまで通りのマー君に戻っていた。

 連勝していたことが田中を支えていたのではない。その裏で継続してきた準備や体のケアなど一つひとつの努力が、次の1勝を呼び、その積み重ねこそが自信となってきたのだ。負けない間に積み上げてきたそれらの経験はそう簡単には崩れることはない。それをホワイトソックス戦での勝利で実証した田中は、今後も、勝敗に左右されず、自分の投球を続けていくに違いない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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