エースのダルビッシュまでもが再び首の張りを発症 レンジャーズでまことしやかにささやかれる「ノーラン・ライアンの呪い」

キャンプイン前から始まったレンジャーズ投手陣の悲劇

 複雑な内部事情も手伝って、2013年3月に、ジョン・ダニエルズGMがチーム運営担当社長、リック・ジョージ氏がビジネス運営担当社長に着任し、ライアン氏は球団社長という肩書きを失ってCEOになった。体面上、ダニエルズGMとジョージ氏の上司がライアン氏という体裁を取ったが、実権は完全剥奪。ほぼ同時期に、ライアン氏の長男がアストロズ球団社長に就任したこともあり、地元メディアは「ノーランが球団を去るのも時間の問題」と報道し続けた。

 そして、大方の予想通り、ライアン氏は球団を去ったわけだが、退団の際に否定していたアストロズ入りも、結局は今年2月に現実のものとなっている(オーナー特別補佐)。

 レンジャーズ退団後の行動を見ても、ライアン氏が胸に一物抱いていることは間違いない。それを敏感に感じたファンやメディアは、まるで祟られたかのように襲いかかる怪我の嵐を「ノーラン・ライアンの呪い」と呼び始めた。もちろん、ライアン氏がそんな呪術を持つはずもないが、うまくいかない時は誰かのせいにしたくなるのが人の常だ。

 それでは、投打の2点からチーム事情をのぞいてみよう。

 投手陣の悲劇は、キャンプイン前から始まった。ダルビッシュと並び、先発の軸になると思われていたホランドが、オフ中に自宅の階段を駆け上がる際に、追いかけてじゃれついてきた愛犬に足をすくわれて落下。左膝を負傷して内視鏡手術を受けたため、開幕には間に合わず、オールスター前後の復帰を目指して、現在リハビリに励んでいる。

 先発の柱・ダルビッシュも、開幕投手に指名されながら、寝違えた首の痛みが長引き、開幕はDLでスタート。4月6日には戦列復帰を果たしていたが、今月27日のツインズ戦前に再び首の張りを訴えて、登板を回避した。

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