米メディアが選ぶ「メジャー最高の先発9投手」の中に日本人3投手 ダルビッシュ有、田中将大、岩隈久志の凄さ

ダルビッシュ、田中もリストアップ

【ダルビッシュ有(レンジャーズ)】

 レンジャーズの絶対的エースの完成度は高い評価を受けており「もしも、ピッチャーの彫刻を土から作り出し、そこに命を与えるとするならば、ダルビッシュそっくりにしたいと誰もが思うだろう」という印象的な書き出しから記事はスタートする。

 この原稿の基となっているデータは、ダルビッシュが6勝目を挙げた日本時間6日のインディアンス戦(7回4失点で勝利)の直前のものだが、その時点で「ヒッターズパーク」と呼ばれる打者有利な本拠地にも関わらず、5勝2敗で防御率は2・08だった。2013年には計26本塁打を浴びたが、今季は3本に留めていることにも触れている。

 カーショーの方が300イニング平均での被打率は低いが、ダルビッシュはピッチャーと対戦することはできないと指摘。交流戦では事情が異なるが、DH制のあるレンジャーズ所属のア・リーグと、DH制のないドジャース所属のナ・リーグとの違いによる投手の有利性の違いも考慮している。

 四球の数も減少傾向で、最近4試合はブルージェイズ、タイガース、ナショナルズという強打を売りにする3チームを含めて31回2/3を投げ、41奪三振4失点という優れた結果にも着目している。その一方で、「メジャーでいまだ完投した試合がないこと」、「1試合での投球数がかさみ、早目の降板につながること」、「昨年9月は腰痛に苦しんだこと」に加え、「首痛で今季数試合を欠場したこと」がマイナス材料として挙げられている。

【田中将大(ヤンキース)】

 先発12試合すべてでクオリティスタート(QS=6回以上を自責3以内)を記録し、9勝1敗。さらに、防御率2・02はリーグトップという、抜群の成績が冒頭に紹介されている。楽天に所属していた昨年から見れば、レギュラーシーズンで通算33勝1敗という驚異的な数字だ。

 記事では、メジャーでも有名になった決め球について「彼のスプリットは、自然の摂理に逆らうものとして複数の宗教団体から禁止されている」と実にユニークに描写されている。スプリットでは被打率1割3分5厘、48奪三振、2四球。宝刀を打たれての本塁打は、デビュー戦の初回にメルキー・カブレラ(ブルージェイズ)に打たれた1本だけにとどまっている。この1球はメジャーで初めて投げたスプリットだった。これまでに315球を投げているが、ほとんどダメージは受けていないという。

 最近では、5月20日のカブス戦で喫した今季初黒星から復調し、3試合連続1失点で3連勝を飾っている。その一方で、懸念材料はまだ先発12試合に過ぎないという部分。2度目以降の対戦を迎える相手がどんな対策を立てているのか、注視する必要があるという。

 また、クオリティスタートに関しては、負けた試合で4失点を喫している(自責点は3)ので、少しだけ疑問の余地がある。今季8本の本塁打を打たれており、“一発病”という心配もあるかもしれない。「最初の先発5試合で10三振以上を3度奪ったが、それ以降は二ケタ三振がない」というデータも紹介されている。

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