今日で30歳を迎えた“キューバの至宝”グリエルを見にスタジアムへ行こう

際立っていたグリエルの走塁技術

 8日のデビュー戦で4打数3安打2得点の大活躍を見せたユリエスキ・グリエル内野手。本拠地での楽天戦に「3番・サード」で出場し、5-1の勝利に貢献した。

 バッティングは前評判通りの高いレベルを披露。大きく構えて、トップの位置を作り、あとはバットを出すだけというシンプルな形。そして、どんなボールでも対応出来るフォームから、軸のぶれないスイングをする。ボールの見極めも良く、自分の打てるボールを待って、振り抜く。いきなりの猛打賞の活躍に、中畑監督も「走攻守で雰囲気を持ったすごい選手だなと思う」と絶賛した。

 中でも際立ったのは走塁技術だった。3回2アウト、2打席目にレフト前ヒットを放った直後のプレー。一塁走者だったグリエルは、続く4番のブランコの右中間の飛球に、判断良く反応した。もちろん2アウトだったこともあるが、打球の飛んだ位置を確認すると、スピードを緩めることなく一気に本塁へ向かった。中継プレーに入ったのは、ゴールデングラブ賞を昨年獲得した楽天の藤田。名手がその思い切りの良さに守備で慌てた。送球が大きくそれてグリエルは生還したのだった。

 中畑監督もこのプレーを絶賛。「彼のヒットで2アウトから点が入って流れを作ってくる。持ってる選手。守りでもそうだし、脚力もそう。普段練習しないのにあれだけ走れる。びっくりした」。最初の打席でも、1回1アウトから走者を一塁においてショートゴロに倒れたが、全力で一塁まで駆け抜けて、セーフになった。こういうプレーは得点につながるだけでなく、チームの士気を高めるものだ。

 サードの守備でも果敢に攻める守りを見せて、一塁手への送球はとてつもないスピードボールで観客を沸かせた。走塁に守備に打撃にと、すべての面で“超積極的”なプレーを見せたグリエル。初のお立ち台では「今日の成績は非常に満足している。これからも私のベストプレーを見ていただいて、ファンの皆さんに喜んでもらえたらいいね」とファンに呼びかけた。

 グリエルは今日6月9日に30歳の誕生日を迎えた。テレビ観戦だけではもったいないキューバの至宝のプレー。球場に行ってお金を払って見たいと思わせるプレーヤーが日本にやってきた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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